2010 Fiscal Year Annual Research Report
デュアルデリバリーシステムによる新規歯周組織再生医療の創生
Project/Area Number |
20390527
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (40292221)
金谷 聡介 東北大学, 病院, 医員 (80375097)
鈴木 治 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
笹野 泰之 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30196191)
鎌倉 慎司 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80224640)
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Keywords | 歯学 / 再生医学 / 遺伝子発現 / スキャフォールド / 歯周組織 / 骨伝導 / 細胞内シグナル |
Research Abstract |
本研究においては、効率的かつ一般医療にも普及可能な歯周組織再生医療の開発を目的とする。そのためスキャフォールドの細胞賦活能及び骨伝導能を最大限に発揮できるよう最適な形状と素材を探索するとともに、細胞増殖因子あるいはCa受容体遺伝子発現の人為的な増強を行うことで、歯周組織形成促進がみられるかどうかを明らかにすることを目指す。平成22年度に実施した研究においては、1)歯及び歯周組織由来の硬組織形成細胞の増殖・分化に対する細胞外無機イオンの影響を検討したところ、細胞外PO_4^<2->イオンの増加はERK依存性にBMP-2遺伝子発現を増強することが明らかとなった(Tada H.et al)。一方、細胞外Ca^<2+>イオンはセメント芽細胞においてcAMP/PKA依存性にFGF-2遺伝子発現を増強することも示された(Kanaya S. et al)。次いで2)細胞賦活化の手段としてトポグラフィーに着目して,新規開発されたハニカムフィルム上で培養した歯根膜細胞の挙動についてさらに解析を行った。その結果、昨年度の本研究で明らかになったフィルム内への細胞侵入による多層細胞培養シート作製の可能性に加えて、ハニカムフィルム上で培養した歯根膜細胞の表面にオステオポンチンタンパクの発現が増強されることが示された(lwama et al. 学会発表)。この結果はスキャフォールドの表面トポグラフィーが、歯根膜細胞の細胞増殖のみならず、硬組織形成細胞への分化をも刺激していることを示すものと考えられた。以上の結果から、歯周組織構成細胞の増殖・分化に重要な分子(サイトカインや分化マーカー)の発現増強は、細胞外微小環境やスキャフォールド性状の調整によって達成されることが明らかとなり、細胞治療のみに依存しない歯周組織再生治療の創生が行える展望が明確に示された。
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Research Products
(12 results)