2009 Fiscal Year Annual Research Report
歯周自然免疫として働くメンブレントラフィック機構の分子基盤解析
Project/Area Number |
20390528
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
天野 敦雄 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 教授 (50193024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 伸治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40362678)
古田 信道 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (50452446)
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Keywords | 歯学 / 動脈硬化 / 感染症 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 歯周病菌 |
Research Abstract |
歯周病原因菌として知られるグラム陰性菌Porphyromonas gingivalis(以下P.g.)の主要な病原因子としてGingipain(cystein protease:Kgp 及びRgp)、線毛、及びLPSが報告されている。P.g.はエンドサイトーシスを介して細胞内に侵入し、多種多様な細胞機能障害を引き起こす。一方、グラム陰性菌においては宿主細胞に対し病原性因子小胞を放出し様々な毒性を発揮する。P.g.においても上述の病原因子を含む膜小胞を分泌することがすでに報告されている。我々は膜小胞の細胞内侵入がRacl、アクチン、PI3P、脂質、及び膜脂質ドメインであるラフトを利用したエンドサイトーシス機構に依存しており最終的にライソソームまで移行することを明らかにした。さらに膜小胞側因子としてRgpのプロテアーゼ活性が重要であった。興味深いことに、膜小胞は細胞内に侵入した後、エンドソーム内で鉄イオン輸送体を分解し細胞増殖能、及び運動能低下を引き起こす。しかしRgpを欠損させたP.g.由来の膜小胞を処理した細胞ではこれら障害は認められなかったことから、膜小胞はRgp依存的に効率的に細胞内に侵入し鉄イオン輸送体を標的とすることで細胞障害性機能を発揮していると考えられた.これらはP.g.単独ではなくP.g.が分泌する膜小胞との相互作用により歯周組織を障害し歯周病が引き起こされる可能性があることを示した初めての知見である。
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Research Products
(30 results)