2010 Fiscal Year Annual Research Report
がんや慢性疾患患者のための色彩映像によるストレス緩和媒体の開発
Project/Area Number |
20390541
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 ゆみ 京都大学, 医学研究科, 教授 (40196019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野本 愼一 京都大学, 医学研究科, 教授 (00172825)
齋藤 邦明 京都大学, 医学研究科, 教授 (80262765)
作田 裕美 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70363108)
笹山 哲 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90215749)
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Keywords | 色彩映像 / ストレス緩和 / ストレスホルモン / POMS / STAI |
Research Abstract |
本研究の最終目的はがんなどの慢性疾患患者の慢性的ストレスやうつ状態を改善して、治癒力の消耗を抑制する色彩映像によるストレス緩和媒体の開発である。22年度は本研究期間の最終年度である。特に以下3点において研究を進めた。 I.色彩映像は2名の自然写真家による千枚以上のオリジナル写真によってデータベースを完成させた。 II.色彩映像の特に脳の感情状態に関する影響について調べるために前頭部の脳波を測定する基礎実験を行うた。被験者は41人の健康な大学生・大学院生で、色彩映像を見ている間の左右の前頭部のα波の出現時間、および脳波電位の強さを測定した。その結果、色彩映像を見る前より後においてα波の出現時間の増加と脳波電位の上昇が見られたが、有意な差は認められなかった。また、前頭部の左右での比較では、左右ともにα波の出現時間と電位の上昇傾向が見られ、やや右側の方が高い傾向があったが有意な差は見られなかった。プラスの感情状態刺激において左側の前頭部が活性化される、との先行研究があり、本実験では色彩映像に感情状態をプラス向ける刺激効果があるかどうかについて実証する目的で行ったが、そのような結果にはならなかった。この方面の研究では相対立する研究結果が報告されており、まだ緒に就いたばかりであると考えられるため、今後も研究を進めていく必要がある。 III.本研究の色彩映像によるストレス緩和媒体を臨床に於ける実際の患者さん使用して戴くため、病室で簡単に使用できるシステムにするべく検討を重ねた。映像の選択を簡易にするためにタッチパネル上での操作システムを作成したが、タッチパネル画面をディスプレイ装置に組み込むための技術的課題が解決できず現在も検討を重ねている。但し、臨床研究のための研究計画はすでに京都大学医の倫理委員会に提出しており、親委員会の承認を待つだけになっている。装置上の課題が解決されれば、臨床での使用評価について研究結果を明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(1 results)