2009 Fiscal Year Annual Research Report
難治性の末梢神経障害をきたす大腸がん患者の評価指標に基づく包括的ケアモデルの開発
Project/Area Number |
20390550
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
神田 清子 Gunma University, 医学部, 教授 (40134291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二渡 玉江 群馬大学, 医学部, 教授 (00143206)
武居 明美 群馬大学, 医学部, 助教 (70431715)
小幡 英章 群馬大学, 医学部, 講師 (20302482)
堤 荘一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30323356)
瀬山 留加 群馬大学, 医学部, 助教 (10412991)
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Keywords | がん化学療法 / 末梢神経障害 / 大腸がん / FOLFOX療法 / 体験 / 質的研究 / 評価指標 |
Research Abstract |
本研究の目的は、外来で化学療法を受ける大腸がん患者に出現する末梢神経障害症状を主観的、客観的に測定し、日常生活行動障害、心理・社会的な影響から明らかにする。そして身体・機能面、心理面、社会面(日常生活)から的確に捉えるためのアセスメント指標を作成し、包括的なケアが提供できるようなモデルを開発することである。 本年度の目的は、他覚的・自覚的な評価指標を明確にする。そのために次を施行した。 1.化学療法に伴う末梢神経障害を体験した患者がセルフマネジメントの自信を獲得するプロセスを明確にし、看護支援を検討した。対象は化学療法を受けるがん患者10名であり、縦断的なデータ収集を行った。同一対象者に対して2~5回の面接を行い、修正版グランデッド・セオリー・アプローチを用い分析を行った。 その結果、がん患者は「繰り返すしびれに向き合う体験」「変化するしびれの対処を模索し生活の調和をとる体験のプロセスを踏み、急性末梢神経障害のセルフマネジメントを行う自信を獲得していた。また、全ての体験に「セルフマネジメントの自信獲得に力添えする因子」と「セルフマネジメントへの関心を阻む因子」が影響していた。急性期の末梢神経障害をマネジメントする能力が今後、慢性の末梢神経障害のマネジメントする患者のセルフケア能力に影響することが予測され、患者・家族のセルフマネジメントの視点もアセスメントする重要性が浮かびあがった。 2.オキサリプラチンの末梢神経障害と他の抗がん剤レジメによる末梢神経障害の副作用症状の出現割合と発症のピークを明確にした。発生頻度はFOLFOX治療が他の抗がん剤治療より多くなっておりオキサリプラチンが含まれる薬剤のマネジメントが必要であることが再確認され他の薬剤との違いが明らかになった。 以上これまでの成果と示唆から、アセスメント指標を作成した。
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Research Products
(5 results)