2008 Fiscal Year Annual Research Report
重症救急患者の家族看護の実態調査および標準的家族看護モデルの開発
Project/Area Number |
20390553
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山勢 博彰 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (90279357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山勢 善江 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (30279351)
立野 淳子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90403667)
田代 明子 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20437627)
田戸 朝美 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (30452642)
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Keywords | 重篤・救急看護学 / 家族ニーズ / 家族看護 |
Research Abstract |
本研究は、わが国の重症救急患者の家族看護についての実態を調査し、家族看護上の課題を把握した上で、初療からICU治療まで一貫性があり、看護師一人一人が効果的に看護介入を実践できる標準的な家族看護モデルの開発を目的としている。本年度は、1.CNS-FACEを用いた調査によって、重症救急患者家族のニーズの特徴を明らかにした。家族ニーズには、サポート、安楽安寧、保証、接近、情報の各ニードが特徴的で、これまでの調査と同様に、保証、接近、情報のニーズが高いことがわかった。2.そのニーズを満たすために行っている家族看護実践の実際を明らかにするために、幾つかの救急医療施設でインタビュー調査および看護記録からの調査をおこなった。データを専用プログラムで集計し、質的データを分析した結果、接遇時の工夫、オリエンテーションでの対応、初めての面会時の家族対応、病状説明時での看護的サポート、家族ケアの推奨、悲嘆プロセスにおける情緒的サポートなどの看護ケア実践が明らかになった(家族アセスメントの方法、家族の特徴的な看護上の問題点、具体的看護介入、実践の評価方法に関するものを含む)。また、家族看護を行う上で看護師が抱く実践上の課題としては、多忙なため家族に関わる十分な時間がないこと、マニュアルが無く、個々の看護師の力量に任されていること、やっている家族に自信がないことなどが抽出された。さらに、ニーズを満たすためにおこなっている実際の援助の実態を調査すると、保証と接近のニーズを満たすためにおこなっているケアの頻度が高く、情報とサポートのニーズを満たすためにおこなっているケアは頻度が少ないことがわかった。
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