2008 Fiscal Year Annual Research Report
回復期リハにおけるナラティブアプローチを用いた脳血管障害患者の看護支援の検討
Project/Area Number |
20390554
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
石鍋 圭子 Aomori University of Health and Welfare, 健康科学部, 教授 (10151391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 令子 弘前学院大学, 看護学部, 准教授 (60227957)
藤田 あけみ 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (30347182)
佐々木 綾子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (90468108)
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Keywords | 脳血管障害患者 / 回復期リハビリテーション / ナラティブアプローチ / QOL |
Research Abstract |
本研究は、「看護師が患者のナラティブの書き換えを支援することで回復期リハビリ過程への患者の意欲を高めれば、主観的な生活の質評価が変わる」という仮説の実証を目的とする。1)患者のQOLを高める看護支援としてのナラティプアプローチの有用性を検証する、2)脳血管障害患者に対するナラティプアプローチ前後のQOLの変化を明らかにする、3)患者のナラティブの書き換えに影響する要因を明らかにする、の3つの側面からの調査を3年間で実施する。平成20年度は初年度であり、研究1)看護師によるナラティプアプローチの有用性の検証に着手するための準備を行った。回復期リハビリ病棟の看護師を対象に、(1)ナラティプアプローチとSEIQoL-DWを研修し、(2)所属病棟でのナラティプアプローチの実施をフォローアソプして、スキルを訓練する一方、収集した事例の検討会を実施した。また、(3)SEIQoL-DW測定のための信頼性と妥当性およびデータ収集上の課題を検討した。 結果、(1)の研修会を平成20年9月13・14日に東京都内で催し、35名の受講者を得た。(2)のナラティプアプローチは、研修後研究協力を承諾した24名の看護師が実施し、11事例(男性7名、女性4名、平均年齢53.3歳)を収集した。事例検討ではナラティブの内容と、語りの変化が抽出された。これらから著護師によるナラティプアプローチは、回復期リハビリ過程にある患者が自身の体験を振り返るきっかけを提供して今後の方向性を見出す助けになり、同時に看護師もケアを振り返るなど、双方に重要な機会となることが示唆された。(3)のSEIQoL-DWの評価の信頼性と妥当性は、研究者により4事例(男性1名、女性3名、平均年齢78.8歳)に実施し得られることが推測された。また、データ収集上の課題として、共通データベース作成、面接目的の明確な呈示、ネガティブ思考からポジティブ思考への転換状況の確実な掌握、回復期リハ実施各時期の捉え方と思いの語りの確保、の4点が確認できた。
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