2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390556
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野並 葉子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20254469)
|
Keywords | 糖尿病患者 / ケアリング / エンボディメントケア / 病気 / 生活 / コミュニティオブプラクティス |
Research Abstract |
本研究の目的は「糖尿病患者へのエンボディメントケア」モデルの有用性の検討ならびに、Community of Practice の手法を用いたケアの実践共同体の育成を目的としている。平成22年度は、ワークショップを開催しながら、糖尿病患者へのエンボディメントケアである「あいまいな体験に輪郭を与えるケア」「身体の理解を深めるケア」「身体への信頼感を取り戻すケア」「新しい対処法を身につけるケア」のプロトコルの精錬を行った。 ワークショップは、エティエンヌ・ウェンガーらによるCommunity of Practice の考えを基に、実践コミュニティに参加することを通して学習者個人の能力が向上することと実践コミュニティの発展を目指した。プログラムは「知識の獲得」「観察と模倣」「共有」をもとに構造化し、(1)ケアの概要の説明、(2)デモンストレーションと演習、(3)グループディスカッションを組み合わせ、(4)インターネットコミュニティを開設することを通してメンバー同士のつながりをはかり、暗黙知と形式知の融合を促す「語り」によるコミュニティへの参加要素を組み込んだ。 ワークショップには研究メンバーである慢性疾患看護専門看護師8名と外部参加者12名(糖尿病看護経験年数平均8.2年)が参加した。参加者は、「知識の獲得」「観察と模倣」「共有」を通して、看護者としての態度『ケアする自分を意識する体験をすること』、『患者の元に居る居方』を捉えた。さらに、患者の身体と生活をつなぐケアの必要性や患者を気遣っていくということの意味を改めて感じたり、臨床現場で患者の反応が変わり、看護者としての自分が変化したことに気づく参加者もいた。次年度は、ワークショップを継続して開催していくと共に、実践共同体を発展させ、糖尿病患者へのエンボディメントケアの臨床での検証を行っていく。
|
Research Products
(2 results)