2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390556
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野並 葉子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20254469)
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Keywords | 糖尿病患者 / ケアリング / エンボディメントケア / 病気 / 生活 / 専門家育成 |
Research Abstract |
本研究の目的は「糖尿病患者へのエンボディメントケア」モデルの有用性の検討ならびに、Community of Practiceの手法を用いたケアの実践共同体の育成を目的としている。 平成23年度は、前年度に引き続き、実践家育成のためのワークショップを開催し、実践コミュニティに参加することでどのような学習の軌道があるのか、どのような知識が生まれるのか、どのようにコミュニティが発展していくのかについて検討していくことを目的とした。ワークショップは実践コミュニティに参加することを前提とし、プログラムは「知識の獲得」「観察と模倣」「共有」をもとに構造化し、(1)ケアの概要の説明、(2)デモンストレーションと演習、(3)グループディスカッションを組み合わせ、(4)インターネットコミュニティを開設することを通してメンバー同士のつながりをはかり、暗黙知と形式知の融合を促す「語り」によるコミュニティへの参加要素を組み込んだ。平成23年度に開催したワークショップには研究メンバーであるケア開発者12名のコアメンバー、新規参加者12名、昨年度からの参加者3名の計27名が参加した。 現在、平成22年度に実施したワークショップのデータ分析を進め、「学習の軌道」として参加者は実習、討議、臨床で自分の実践を振り返り、糖尿病患者への向き合い方を考えたり、自分のいるコミュニティにケアを拡げることを検討したり、患者への関心や探求が生まれ、最初は馴染みのないエンボディメンドケアに違和感をもっている様子があったが、徐々にケアプロトコールに対して批判、評価がなされ、プロトコールの修正につながる意見が出されるなど、コミュニティの中で「知識」が生まれていった。また、ワークショップを重ねる毎に共同体の理解が進み、コミュニティへの参加の仕方に変化がみられ、共同体の理解が進み、洞察が生まれるなど「コミュニティが発達」していくプロセスがあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コミュニティオブプラクティスの理論を用いた実践家育成のためのワークショップを開催し、平成23年度ワークショップへの新規参加者は8名、4名の大学院生、昨年度からのワークショップ参加者3名、研究者13名であった。現在、徐々にワークショップに参加した方が臨床実践に取り組み始めている。また、ワークショップを通してケアプロトコールの修正もされ、現在、実践家育成プログラムの検証を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、実践家の育成と共に臨床実践を行い事例の検証、プロトコールの精錬を行っていくことを課題として取り組んできた。ワークショップを2年にわたり開催し、臨床での実践に取り組み始めた実践家もいる。今後、臨床でエンボディメントケアを用し、た実践事例について検討していくとともに、ワークショップを定期的に開催し、実践家を育成していくことが必要であり、平成24年度はワークショップを2回/年に開催するとともに、学術集会等での交流集会も積極的に実施し、参加者を募っていく。
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Research Products
(2 results)