2009 Fiscal Year Annual Research Report
インドシナ地域での社会的弱者層を取りまく緩慢なるハザードの実態と地域復元力の解明
Project/Area Number |
20401008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小林 正美 Kyoto University, 地球環境学堂, 教授 (50109021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 昌三 京都大学, 農学研究科, 教授 (50211959)
田中 樹 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (10231408)
ショウ ラジブ 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (30378848)
小林 広英 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (70346097)
水野 啓 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (10260613)
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Keywords | インドシナ地域 / 緩慢なるハザード / 地域復元力 / 社会的弱者層 / 地域支援 / 地域間比較 |
Research Abstract |
平成21年度は、ベトナム中部およびラオス中部の対象村落でのフィールド調査を行なった、また、愛媛県西条市の山間部集落および和歌山県田辺市の沿岸部集落での比較調査も実施した。その概要を以下に記す。 1)「緩慢なるハザード」の類型化と問題構造の解明:対象地域でのフィールド調査を通じて、水質の汚染、疾病、モノカルチャー化、伝統的知識や技術の消失などの記載と類型化を行なった。 2)在来生業システムの変遷と地域復元力の解明:人々の暮らしと生業について古老への聞き取りや文献調査を行ない、現地政府による少数民族の定住化支援や近年の経済発展に伴う農林水産業の技術体系の変化に対し在来の生業システムが如何に変容したかを明らかにした。 3)地域社会における防災メカニズムの解明:都市域での住民への聞き取りを中心に、過去の災害の発生状況、被災状況、災害対処行動、災害時と復旧過程での相互扶助行動の消長などを明らかにした。 4)少数民族社会の特性把握と従来の援助アプローチの類型化:少数民族の生活史、伝統文化や知識・生活技法の変容、民族間の交流の変遷を聞き取り調査から明らかにし、政府と援助機関が主導する地域開発の介入の経緯と地域社会への影響から外部者関与(援助アプローチ)の得失を考察した。 5)「住まう」ことが地域復元力に果たす役割の解明:「ハザード」に対する暮らしの中の「不安定ながらも繊細な均衡」を地域復元力の基本メカニズムとみなし、その糸口として家屋や集落の構造、建築技法、建築儀礼および住環境を記録した。
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Research Products
(18 results)