2008 Fiscal Year Annual Research Report
「大国」と少数民族-東南アジア大陸部山地における中国ヘゲモニー論を超えて
Project/Area Number |
20401009
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
落合 雪野 Kagoshima University, 総合研究博物館, 准教授 (50347077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 千尋 国立民族学博物館, 先端人類学研究部, 准教授 (60319994)
松田 正彦 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (60434693)
柳澤 雅之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80314269)
横山 智 熊本大学, 文学部, 准教授 (30363518)
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Keywords | 国際研究者交流 / ミャンマー:ラオス:ベトナム / 国境 / 少数民族 / 生業活動 / 生活文化 / 東南アジア地域研究 / 文化人類学 |
Research Abstract |
2008年度、国境拠点における生業活動調査では、8月に松田がミャンマー、シャン州南部でパオ人住民の農業活動と耕地景観の変化について、12月に横山がラオス、ルアンナムター県を中心に中国国境を跨いだ農林産物と日用雑貨の生産や流通について、12月に柳澤がベトナム、ゲアン省とラオスとの国境地域で森林資源のストックとフローについて、それぞれ現地調査を実施した。健康管理と生活文化の通地域的調査では、12月にラオス北部で、白川がマラリア対策のための医薬品や蚊帳の流通と利用について、落合が日常着やハンディクラフト製作における中国製素材の浸透について、タイ系住民中心に情報と資料を収集した。 その結果、国境地域における「大国」と少数民族の現状を把握する上で、注目すべき事象を抽出することができた。その主要項目には(1)ラオスー中国間における特殊商品のフローとそれに関与する住民の役割(2)国境の集約的マーケットとローカル・マーケットの機能とその相互関係(3)国境周縁部での生業活動と国境内部での生業活動、その質的量的対比(4)健康管理や生活文化に利用されるモノの意味的、価値的変容の諸相と生活への影響等がある。 全体を通して、分析の対象とすべきモノや事象を把握し、住民の生存戦略や地域動態の理に向けて研究の基礎を固めることができた点で大きな成果があった。なお、本年度実施できなかった中国-ミャンマー国境地域の現地調査については、ミャンマー農業灌概省と綿密な協議を行い、2009年度に実施する計画を立案した。その成果をラオスの事例と比較したい。
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Research Products
(15 results)