2009 Fiscal Year Annual Research Report
「大国」と少数民族―東南アジア大陸部山地における中国ヘゲモニー論を超えて
Project/Area Number |
20401009
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
落合 雪野 Kagoshima University, 総合研究博物館, 准教授 (50347077)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 千尋 国立民族学博物館, 先端人類学研究部, 准教授 (60319994)
松田 正彦 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (60434693)
柳澤 雅之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 准教授 (80314269)
横山 智 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30363518)
|
Keywords | 国際研究者交流 / ミャンマー:ラオス:ベトナム / 国境 / 少数民族 / 生業活動 / 生活文化 / 東南アジア地域研究 / 文化人類学 |
Research Abstract |
(1) 国境拠点調査 ミャンマー:2009年8月、ミャンマー農業灌漑省農業計画局との合同セミナーを開催した。また、シャン州とカチン州の中国国境付近で現地調査を実施し、1)シャン州南部少数民族特別区における調査結果と比較しつつ、中央政府の農業開発政策と中国への農産物流通に関する実態を明らかにした、さらに2)タイ系住民とカチン系住民による中国製素材を利用した民族衣装の製作の実態と、国境を越えた流通経路について情報と資料を収集した。 ラオス:ポンサリー県の中国国境付近での現地調査の結果、1)盆地および山間部で中国輸出むけの農産物が積極的に導入され、中国に輸出されていること、2)コア郡を除くポンサリー県で採取された森林産物がすべて中国に輸出されていることが明らかになった。 ベトナム:ラオカイ国境拠点での現地調査を実施し、ゲイト周辺での少数民族による生産物流通と生業変化、サパ周辺での少数民族による環境改変と生業変化について、それぞれ情報を収集し状況を分析した。 (2) 通地域的調査 健康管理:ラオス北部とタイ北部で、1)主要都市市場での蚊帳を中心としたマラリアに関連する医療用品の流通状況についての情報収集と、2)都市周辺集落での蚊帳などの使用状況に関する調査を行った結果、中国製の製品は目立たず、タイ製品の方が市場に広く出回っており、また集落レベルでも活発に使用されていることが明らかになった。 生活文化:ラオス北部とタイ北部で現地調査を実施し、ハンディクラフトの生産と流通の状況について資料と情報を収集した結果、中国から安価な製品が流入する一方で、地元産製品は二極化する傾向にあることが明らかになった。
|
Research Products
(7 results)