2010 Fiscal Year Annual Research Report
「大国」と少数民族―東南アジア大陸部山地における中国ヘゲモニー論を超えて
Project/Area Number |
20401009
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
落合 雪野 鹿児島大学, 総合研究博物館, 准教授 (50347077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白川 千尋 国立民族学博物館, 先端人類学研究室, 准教授 (60319994)
松田 正彦 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (60434693)
柳澤 雅之 京都大学, 地域研究東郷情報センター, 准教授 (80314269)
横山 智 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30363518)
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Keywords | 国際研究者交流 / ミャンマー・ラオス・ベトナム / 国境 / 少数民族 / 生業活動 / 生活文化 / 東南アジア地域研究 / 文化人類学 |
Research Abstract |
1)中国雲南省 中国雲南省徳宏州と中国雲南省西双版納州の国境地域を対象に、現地調査を実施した。これは平成20年度、21年度にミャンマーのカチン州、シャン州、およびラオスのルアンナムター県、ポンサーリー県の国境地域で収集したデータと比較するためにおこなったものである。その結果、徳宏州では中国とミャンマーの1950年代以降の政治経済的変動のはざまで、少数民族村落における農村開発プロセスが形成されてきたこと、西双版納州ではラオス国境域の今後を予測するような農産物生産に関する土地利用の変化が生じていること、〓族の衣服製作の素材やデザインに関して、ミャンマーやタイとの流通ネットワークが形成されていることを明らかにした。 2)ラオス ラオス北部では、主にタイ系民族の集落における蚊帳の保有・使用状況の調査や、都市部の市場における蚊帳の流通状況の調査などを行った。その結果、伝統的な綿製の蚊帳がほとんど使われなくなっている反面、近代的な化繊の蚊帳が広く浸透していること、その背景には国際的な流通網の整備や政府の公衆衛生政策が介在していることなどが明らかになった。 3)ミャンマー ミャンマーでは、少数民族山地の生業活動において重要な役割を持つことが明らかになってきた多年生有用植物(タナペッ)に焦点をあてて調査をおこなった。その利用・加工・流通に関する情報を収集し、生業活動に対する中央政府政策や市場経済の長期的な影響について分析した。具体的にはミャンマー国マンダレー管区における現地調査とヤンゴン市・ネピドー市での資料収集をおこなった。
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Research Products
(13 results)