2009 Fiscal Year Annual Research Report
リベラルアーツ教育における文学教育の歴史と可能性:国際的比較研究
Project/Area Number |
20401019
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
大西 直樹 International Christian University, 教養学部, 教授 (80152198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩切 正一郎 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (60262060)
生駒 夏美 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (60365525)
佐野 好則 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (50295458)
SIMONS Christopher 国際基督教大学, 教養学部, 准教授 (80527143)
本山 哲人 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (20386527)
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Keywords | 文学教育 / リベラルアーツ / 古典 / 文学理論 / 文学研究 / 正典 |
Research Abstract |
生駒夏美上級准教授 ハーヴァード大学燕京研究所での一年間の在学研究期間を利用して研究調査に精力的に取り組んだ。ことに、この期間を利用して、アニタ・パターソン教授(ボストン大学、英米文学)およびスーザン・クライン教授(カリフォルニア大学アーヴァイン校、東アジア言語文学)と意見交換を行い極めて有意義な知見を得た。その一部を報告文書から引用すると、詩の朗読による学生の関心の喚起にふれ、「教員が当たり前に思っている経験が、今の学生たちにとってはそうではなく、それを考慮することが大学のカリキュラムを組むにあたって、非常に重要だと思います」と述べている点は重要な問題を提起している。現代の学生の興味と関心にどう対応するかはこれからの文学教育の中心的課題であろう。本山哲人准教授は、アメリカ合衆国フォールジャー図書館に調査期間を得てシャークスピアの原典研究に従事することができたが、その結果を早稲田大学法学会の紀要『人文論集』において発表した。シェークスピア研究を高等教育の場でいかに生かすか、その重要性が論じられている説得力のある論文である。佐野好則上級准教授はオックスフォード大学から西洋古典学の先端を行く研究者Malcolm Davis教授と、生物学ことに昆虫学を専門とするJeyaraney Kathirithamby教授を囲む講演会を企画し、西洋古典学を学際的にアプローチすることでひらかれる可能性について、さかんな論議を展開した。岩切正一郎教授は単に文学を文字媒体として研究するだけではなく、演劇や詩の朗読といった実践の場としての文学の重要性を舞台の上で展開する活動に積極的に取り組んでいる。岩切教授はラミュー脚本、ストラビンスキー作曲『兵士の物語』の台本を翻訳し、その作品は日経ホール(2009/12/25-12/28)および兵庫県立芸術文化センター(2010/01/03)で演じられた。サイモンズ准教授はイギリスで詩作品を発表しつつけているが、その作品がThe Academi Cardiff International Poetry Competitionの受賞作品となった。ここでも文学活動の実践の意味が大きいことが示されている。
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Research Products
(5 results)