2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20401020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 雅之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (30313159)
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Keywords | 土話・平話 / 漢語(粤語:客家語:〓南語:官話) / 勉語 / 壮語 / 物質文化 / 中国湖南:広東:広西 / 江永県:江華瑶族自治県:藍山県 / 漢族:瑶族:壮族 |
Research Abstract |
第三年目である平成22年度は,調査団を組んで2回の野外調査を行った(初年度からの通算で第5回目と第6回目)。第5回調査は2010年8・9月に江華瑶族自治県と江永県などで,第6回調査は2011年3月に江永県と藍山県で行った。第5回調査の主な内容は,言語に関して(1)江華県農村(白芒営鎮,大墟鎮など)の土話の音韻・語彙・文法,(2)江永県農村(桃川鎮など)の土話の音韻・語彙・文法である。第6回調査の主な内容は,言語に関して(3)江永県農村(粗石江鎮など)の言語の種別と分布,(4)藍山県の言語の種別と分布,物質文化に関して(5)江永県農村(粗石江鎮など)の民居の形式と構造である。第6回調査では(3)と(5)を,同一世帯を対象として同時並行で行った。また第5回調査では,建築班が作成した画像入り統一フォーマットの調査票を使用して,複数地点の各種土話に対し,伝統的家屋の構成要素の語彙調査を行った。調査で得られた成果の中で,特筆すべきものは次の2点である。 1.江永県西南部の土話の種別と分布が,当初の予想よりも複雑であり,そこには地理的要因ではなく歴史的要因が存在すると考えられること。2.先行研究では粗雑な記述しか為されていない藍山県の言語分布状況が,大方把握できたこと。 研究成果の発表は複数件行ったが,調査結果を直接反映する口頭発表に,溝口正人「中国と日本の家族と生活様式」が有る。 また平成22年度の野外調査には東京大学の大学院生が3名参加し,各自地点を定めて言語調査を行った。その成果は平成23年度に学術会議で口頭発表される見込みである。
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Research Products
(6 results)