2009 Fiscal Year Annual Research Report
中央アナトリアにおけるハジュトゥール・ホユック遺跡の考古学的予備調査
Project/Area Number |
20401039
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Research Institution | The Middle Eastern Culture Center in Japan |
Principal Investigator |
山下 守 The Middle Eastern Culture Center in Japan, アナトリア考古学研究所, 研究員 (70370195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 宏臣 同志社大学, 文化情報学部, 准教授 (40376934)
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Keywords | 考古学 / トルコ / 中央アナトリア / 鉄器時代 / フリュギア / 都市遺跡 |
Research Abstract |
平成21年度の中央アナトリアにおけるハジュトゥール・ホユック遺跡の考古学的予備調査では、トルコ文化観光省考古局の調査許可の関係から遺跡での実地調査を計画通りに実施することが困難になったため、調査計画を変更して以下の様な形で調査研究を行った。 1.調査キャンプの整備、ハジュトゥール・ホユック遺跡の清掃の後、平成21年7月後半に平成20年度に作成した遺跡隣接地域の地形図のコントロール、修正作業を行った。 2.平成21年8月に遺跡の頂上平坦部において部分的な地中磁気探査を実施した。 3.計画された平成21年度における遺跡の表面採集調査は現地当局の調査許可の関係から実施することが出来なかったので、計画を変更し、これまでに遺跡で採集された遺物全体に関する整理記録、分析作業を行った。 平成21年度における上記の2.の地中磁気探査からは、ハジュトゥール・ホユック遺跡の中央部分の地表直下に複雑な構造を有する極めて大規模な建築遺構(宮殿址もしくは神殿址の可能性が考えられる)が存在することが確認された。 また上記3.のハジュトゥール・ホユック遺跡でこれまでに採集された全遺物の総合的な整理分析作業からは、紀元前3千年紀の前期青銅器時代、紀元前2年紀の中/後期青銅器時代(ヒッタイト時代)、紀元前1千年紀の鉄器時代(フリュギア時代)に属する遺物の存在が確認された。また、特にその中でも紀元前7世紀から紀元前4世紀頃の中/後期フリュギア時代に属する遺物が圧倒的に多いことが明らかとなった。 こうした事実から、この遺跡の地表直下に存在する、大規模な建築コンプレックスを伴う大都市遺構は、中/後期フリュギア時代に属するものである可能性が高くなって来たと言える。
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Research Products
(1 results)