2009 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアにみるインドネシア・ベトナム女性移民の急増と家事介護労働者-花嫁間の推移
Project/Area Number |
20401047
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Research Institution | Kanda University of International Studies |
Principal Investigator |
奥島 美夏 Kanda University of International Studies, 付置研究所, 講師 (10337751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩井 美佐紀 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (80316819)
林 史樹 神田外語大学, 外国語学部, 准教授 (00364919)
服部 美奈 名古屋大学, 教育学研究科, 准教授 (30298442)
吉田 正紀 日本大学, 国際学部, 教授 (90287574)
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Keywords | インドネシア人 / ベトナム人 / 東アジア / 移住労働 / 国際結婚 / 家事・介護・看護 / 文化人類学 / 社会学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、本年度も送り出し国であるインドネシア・ベトナムと、受け入れ国であるシンガポール・韓国・香港・台湾の現地調査を実施し、新たな研究協力者数名も得て、政策・制度概況と比較しながら実際の制度実態やコミュニティ形成、移民支援、人身売買などの動向に踏み込んだデータを集めることを主眼とした。 その結果、インドネシアとベトナムの双方からの送り出しにおいて、バタム島~シンガポールにおいて出稼ぎ・人身売買、香港・台湾において出稼ぎ・結婚・人身売買の諸相が重なり合う実態が明らかになった。また、女性移民の従事する職の中では高度熟練労働といわれる施設介護・看護においても、実際は「医療行為」とみなされる看護業務の一部を除いて、食事・排泄・移動の介助といった再生産労働にあたる部分は、外国人看護助手や介護労働者(日本のヘルパー、付添婦など)によっても担われ、専門職との線引きが曖昧であること、反対に本国では正看護師であっても外国では看護助手などに降下することなどがわかった。 さらに受け入れ諸国においては、前年度からのシンガポールの動向調査に加えて、韓国・香港における制度概況およびインドネシア人・ベトナム人労働者コミュニティの実態調査が進められた。台湾に関しても、ベトナム人花嫁の視察が行われた。最終年度は、台湾・韓国の移住労働者・花嫁の実態と層間移動について共同調査も行い、学会発表などで議論を進める予定である。
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