2011 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代の東南アジアにおける地方政治の新展開-首都、エネルギー、国境
Project/Area Number |
20402003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (90372549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 広佑 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (30283659)
本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (10330010)
生方 史数 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30447990)
見市 建 岩手県立大学, 総合政策部, 准教授 (10457749)
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Keywords | 東南アジア / 地方政治 / 地域研究 / エネルギー作物 / グローバル化 / 都市政治 |
Research Abstract |
冷戦崩壊後のアジア経済危機を克服した東南アジア諸国は今、グローバルなビジネス・ネットワークやイデオロギー・ネットワークの展開・拡大により急速な社会・政治・経済変容を遂げている。本研究は、こうしたネットワークの東南アジアの地方政治への影響を分析し、政治体制の違いを超えて地方政治が同質化しつつあるのかどうかを検証することを目的とした。今年度も研究面で大きな進展があった。エネルギー作物班では、平成21年度に林田科研(基盤B)などとの共催で立ち上げたアブラヤシ研究会を今年度も継続した。8回の研究会を行ない、合計15人の研究者、官僚、活動家が発表を行った。一回は英語による研究会、一回は通訳付きのインドネシア語による研究会であった。また、首都班では、6月にインドネシアの研究協力者2名も交えて、タイのバンコクで共同調査を行い、バンコクの政治家、官僚、首都警察幹部、NGO活動家、バンコク研究者らと意見交換を行った。 本科研が着目した地方政治の同質性について、前年度は新たな政治アクターの台頭を指摘した。その手法という点に着目すると、とりわけ分権化の進むタイ、インドネシアにおいて、政治リソースとして拡大した自治体財源を使って、首長たちが再分配のポリティクスを積極的に展開し始めている点が注目に値する。その一方で、フィリピン以外の国でも自治体の家産制化が進んでおり、グッド・ガバナンスを実現する目的で始まった再分配のポリティクスが単なるパトロネージ・ポリティクスにとどまる可能性も高い。また、社会構造との関係に着目すると、とりわけアブラヤシ農園地帯では中産階級が台頭し始めており、その動向が農村部、辺境部の政治に大きな影響を及ぼそうとしていることが分かった。また、東南アジアでは首都にも製造業などが顕著に存在することから、サスキア・サッセンなどが先進国のメトロポリタンについて主張するような極度の階層間格差は起きておらず、階級の政治が露骨には顕在化しにくくなっている。
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Research Products
(24 results)
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[Presentation] Maritime Crimes in Southeast Asia : Human Securitizing the Policy Paradig2012
Author(s)
Honna Jun
Organizer
International conference, "The Nexus of Security and Development : Addressing Local Conflicts before They Turn Global-Japan-EU Cooperation," organized by the Konrad Adenauer Stiftung (KAS), the European Japan Advanced Research Network (EJARN), and Japan International Cooperation Agency (JICA)
Place of Presentation
JICA-Research Institute (Tokyo)
Year and Date
2012-02-21
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