2011 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの遺伝資源マネジメント-NIH(米国国立衛生研究所)モデルからの示唆-
Project/Area Number |
20402013
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KNELLER Robert 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20302797)
山名 美加 関西大学, 法学部, 教授 (50368148)
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Keywords | 遺伝資源 / アジア / 利益配分 / 知的財産権 / 技術移転 / 米国国立衛生研究所(NIH) / 生物多様性条約 / 生物探査(bio-prospecting) |
Research Abstract |
平成23年度は、研究計画書にある最後の二カ国、モンゴル及びマレーシアについて、調査を実施した。モンゴルについては、モンゴルにおいて、モンゴル大学が実施している日本企業、日本の大学、オーストラリアの大学とのモンゴルの生物資源を活用しての機能性食品に関わる共同研究の実態、モンゴルの民間企業が、モンゴル大学と共同で化粧品の研究開発を行っている実態に触れた。さらに、Ministry of Nature, Environment and Tourism of Mongoliaを訪問し、生物資源をめぐる産学連携の実態について意見を聴取し、さらに国営企業における伝統的知識を活用した伝統的治療を行いつつも、医薬品を開発、製造している実態を調査した。そして、マレーシアについては、同国において1989年から生物探査を行っている日本企業の代表に面会し、同国の政策及び同社の探査戦略、実績、課題について聞き取りを行った。また、分担者が今年度の半年は、スタンフォード大学医学部客員教授として米国に滞在したことから、NIHはもとより、スタンフォード大学等、米国大学におけるバイオテクノロジー研究における生物資源の活用とその方法につき、調査のフォローアップを行った。 また、一方で、昨年度までの研究において、生物多様性の提供国としての日本自体の実態、すなわち、日本における遺伝資源マネジメントの実態も気になるとの結果に至ったので、日本での実態調査として、沖縄財団法人沖縄県産業振興公社産業振興部及び北海道立衛生研究所を中心とする聞き取り調査を行った。これら一連の調査成果を基に、研究分担者が日本国際経済法学会20周年大会のセッション(II)国際知的財産法の新しいフレームワーク分科会において「遺伝資源・伝統的知識の保護と知的財産制度」と題する報告を行い、また、研究代表者と研究分担者が関西大学法学研究所研究叢書第47冊「インド・南アフリカ財産的情報研究I」に論文を寄稿した。
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Research Products
(6 results)