2010 Fiscal Year Annual Research Report
イタリアの特別州に見る単一国家におけるサブナショナル政府の自治の可能性
Project/Area Number |
20402016
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
工藤 裕子 中央大学, 法学部, 教授 (90278383)
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Keywords | 地方分権 / サブナショナル政府 / 単一国家 / 連邦制 / 道州制 / 財政連邦主義 / イタリア / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究最終年度の22年度は、まずイタリアの州制度を支える地方制度について、地方自治制度、州制度に関する文献調査、中央省庁その他関連機関、研究者に対するヒアリング調査を継続した。特に、財政連邦制の導入をめぐる最新の情報、学説、政治的イシューなどの収集を行った。内務省、内閣府公共機能庁、同州問題庁、国家=州会議等、全国コムーネ協会、県連合にヒアリング調査を継続した。特別州については、国からの機能移譲、財政連邦制の導入状況、独自の制度・組織・政策に関し、5特別州のうち、ヴァッレ・ダ・オスタ州、トレンティーノ=アルト・アディジェ州、シチリア州において、現地調査によって資料収集、関係者へのヒアリング、分析を行った。州、コムーネ、県庁所在地に設けられている国の出先機関プレフェットゥーラ、地方行財政担当の州評議員、州議会議員、学識経験者に対してヒアリングを実施した。資料、データ等の分析については主に研究者の意見を聴取しつつまとめた。 今年度の成果は、(1)フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州における調査の結果を州およびウディネ大学とともに報告書にまとめた、(2)シチリア州において、州およびパレルモ大学の協力を得、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州と同様の調査を開始、一定程度進めることが出来た、(3)ヴァッレ・ダ・オスタ州およびトレンティーノ=アルト・アディジェ州に関する文献、資料、データの収集、当該州の制度、州憲法、国との関係などのヒアリング調査をした、(4)財政連邦制の段階的な導入によって各州が受ける影響について、特にヴァッレ・ダ・オスタ州およびサルデーニャ州において考察した、(5)ヴァッレ・ダ・オスタ大学およびカリアリ大学(サルデーニャ州)において集中講義を実施し、日本とイタリアの地方制度を改めて比較した、である。いずれについても、学会発表論文、雑誌発表論文、書籍の分担執筆論文、報告書において業績を発表した。
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