2009 Fiscal Year Annual Research Report
冷戦期アメリカの知的ヘゲモニーとアジア地域政策―フォード財団の学術助成を中心に
Project/Area Number |
20402017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小泉 順子 Kyoto University, 東南アジア研究所, 教授 (70234672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱下 武志 龍谷大学, 人間科学宗教総合研究センター, 研究フェロー (90126368)
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Keywords | 冷戦 / 東南アジア / アジア研究 / 中国 / 国際秩序 |
Research Abstract |
本研究は、冷戦期アメリカにおけるアジア研究の動向とアジア地域政策との関係を、フオード財団のアジア研究学術助成を中心に明らかにし、かつそれがもたらした帰結をアジアの側から、また中国の台頭という今日的視点から再吟味する回ことを目的とする。 1.2009年5月16日に、京都大学東南アジア研究所において、"Development of Asian Studies in Comparative Perspectives : The U.S. and its Asian Counterparts"と題された国際ワークショップを開催した。Trianeular Partnership : Kuo Tina-yee, John K. Fairbank, and C. Martin Wilbur and their contribuion to Taiwan-U.S. academic exchangeの著者である台湾中央研究院・近代史研究所Prof. Chang Pengyuanに、戦後のアメリカにおける中国研究と台湾に関してフォード財団の役割を含めてご報告いただき、香港大学Lee Pui Tak教授には、香港における中国研究の展開を、また濱下武志氏にはガリオア留学生を中心に、戦後の沖縄とアメリカとの関係について報告していただいた。台湾中央研究院Prof. Chan Chiu-kun、牧田東一氏(桜美林大学)、鳥山淳氏(琉球大学)、研究代表者(小泉)がディスカッサントとして参加し、他の参加者も交えて冷戦という文脈の中でアジア各地における知識人の役割について討論した。 2.上記ワークショップの結果を踏まえ、アメリカの地域政策や学術助成という側面に対して、アジア各地における知識人の形成を比較・検討する重要性が提起され、香港、台湾、タイにおいて、資料調査を進めた。特にタイに関しては、ロックフェラー財団の活動およびフルブライト奨学金の設立をめぐる交渉過程に関する資料を収集した。 3.冷戦期における東/東南アジア研究関連の博士論文の目録およびアメリカの地域政策、学術政策に関する基礎文献を収集した。博士論文のデータについては整理を進めつつある。
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Research Products
(6 results)