2010 Fiscal Year Annual Research Report
社会主義と移行期の東欧における生産アーキテクチャの3段階進化仮説実証に関する研究
Project/Area Number |
20402018
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田中 宏 立命館大学, 経済学部, 教授 (10163560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 和夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (70117000)
家本 博一 名古屋学院大学, 経済学部, 教授 (20148290)
池本 修一 日本大学, 経済学部, 教授 (50287570)
大石 達良 高知大学, 人文学部, 教授 (00223719)
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Keywords | 生産アーキテクチャ / ハンガリー企業 / 体制転換 / モジュラー型 / インテグラル型 / 外資系企業 / 日系企業 / 移民 |
Research Abstract |
今年度の研究計画の最大の柱は、生産アーキテクチャの進化の到達点に関するアンケート調査結果(62社)を分析することそしてその成果を報告することであった。分析は以下のことを明らかにした。(1)ハンガリー企業のモジュラー度の強度を企業類型別に識別すると、外資系企業(多数持ち株)>ハンガリー前身企業なしの新規設立外資系企業>ハンガリー前身企業をもつ民営化された外資系企業>ハンガリー企業の順でモジュラー度が弱まっており、3段階仮説が極めて緩やかであるが実証され、インテグラル生産アーキテクチャからモジュラー型のそれへの変化と体制転換とに相関関係があることが分った。(2)学会・研究会での報告では現地研究者からも東欧・ハンガリーの生産アーキテクチャ研究の到達点を築く研究であることが評価された。(3)欧州日系企業研究では、中欧製造現地法人の増加傾向、西欧製造現地法人の減少傾向、西欧販売現地法人の変化の二極化傾向、西欧他機能現地法人の同数維持傾向、中欧や中国への生産移管あるいは日本や中国からの輸入に代替される可能性、西欧生産拠点と中欧生産拠点との間で生産分業関係の発生が検出され、今後、欧州全域とグローバル体制の双方を視野に入れて欧州での企業活動を注目する必要性が明らかにされた。(4)ポーランド企業研究では、ポーランドが今後も引き続き巨額な直接投資の導入を産業発展の鍵として活用する際、労働コスト水準の低さと教育・技能水準の高さだけではなく、労働コスト総額に占めるタックス・ウェッジ比率の相対的な高さと熟練度・技能水準との関係という要因をも留意する必要性が明らかにされた。
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Research Products
(14 results)