2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20402026
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
菊池 道樹 Hosei University, 経済学部, 教授 (90143718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 文夫 法政大学, 経済学部, 教授 (70190337)
鈴木 豊 法政大学, 経済学部, 教授 (20277693)
呉 暁林 法政大学, 工学部, 教授 (50366829)
唐 亮 法政大学, 法学部, 教授 (10257743)
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Keywords | 民間企業 / 産業集積 / 移行経済 / 開発経済 / 浙江モデル |
Research Abstract |
平成20年度の上記の課題研究は次の三つの種類の活動からなる。1.中国浙江省の紹興市、〓州市、杭州市及び寧波市における企業調査、関係する行政当局者からのヒアリング、及び現地研究者たちとの共同セミナー(平成20年9月6日〜15日)、2.北京、杭州の研究者との意見交換(平成21年3月)、3.研究代表者、研究分担者による研究会(平成20年5月、7月、10月、12月、平成21年3月)。 こうした研究活動の結果、浙江省における民間企業の発展要因に関して次のような点の重要性を理解することができた。 1.1980年以降、中国の省単位での地域生産額の年平均成長率で首位を占めている浙江省の経済成長を牽引してきた主要なセクターである民間企業は、他の省に比べ政治、行政の制約から最も拘束されずにすむ環境にあったこと、すなわち「無為而治」が民間企業の成長に効果的であった。 2.浙江省における民国期までの製造業、商業の企業経営に関わる、技術、知識、経験の豊富さが、順調かつ迅速に市場経済への移行を進める作用を発揮した。 3.繊維、日用雑貨、自動車など各地における産業集積の形成に地方政府が役割を果たしている。但し、その評価をめぐっては当事者たちの間で見解に差異がみられた。 これらの成果が中国の他の地域と比較してどの程度の共通性、差異性があるのかを検討することは、今後の中国経済の新たな展開を予測するうえで重要である。また、そうした点が国際比較の観点からどの程度普遍性を持つのか、あるいは特殊であるのかを見極めることは、途上国の開発戦略を考察するうえで重要な意義を有すると考えられる。
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