Research Abstract |
本年度は,次の4点について研究を行った. (1)本研究の焦点のひとつであるインドIT産業の実態について,デリー,バンガロールおよびマイソールにて,現地企業および業界団体(NASSCOM)に対する現地調査を行った.加えて,その周辺国として位置づけられるバングラデシュでのIT産業の展開に関する現地調査を行ったほか,インドIT企業の日本市場での展開について聞き取り調査を行った,インドの現地調査では,特に企業内部の開発組織について情報を得ることを狙っていたが,それに加えて,外部労働市場に関しても若干の有益な情報を得ることが出来た.総じて,当初の計画通り,本年度以降の調査計画を具体化するのに有益な情報を得ることが出来た. (2)中国IT産業の実態について,特にその日本向け拠点である大連にて現地調査を行った.加えて,中国IT企業の日本拠点でも聞き取り調査を行った.その顕著な特徴は,いわば日本市場向けに「カスタマイズ」した組織プロセスを有していると言うことである.その意味で,インドIT企業との相違は顕著である,ここで得られた知見は,研究計画通り,特に上記のインドIT産業どの比較に資するものであると考えているし,今後の比較調査・分析の枠組を確定するのに有益であった. (3)フィリピンの自動車関連産業の実態について,現地調査を行った,以上3方面のパイロット調査結果は,本年度以降の本格的な調査研究に対して,予備的な知見を提供するものとして有益であった. (4)予備的な知見を得,それを整理・共有することを目的として、数次の研究会を持った.
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