2009 Fiscal Year Annual Research Report
アジアの知識基盤型産業発展とグローバル・イノベーション・ネットワークに関する研究
Project/Area Number |
20402027
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Research Institution | Nagoya University of Commerce & Business |
Principal Investigator |
徳丸 宜穂 Nagoya University of Commerce & Business, 経済学部, 准教授 (00387656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平川 均 名古屋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (60199049)
新海 尚子 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 准教授 (10377765)
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Keywords | IT関連産業 / インド・南アジア / 産業クラスター / 知識基盤型産業発展 |
Research Abstract |
本年度は,次の研究を実施した. 1.インドIT産業のうちでも,特に中小企業に焦点を当てた実地調査を実施した.言うまでもなく,産業クラスターを構成する主要なセグメントは中小企業であるが,先行研究であまり顧みられることがなかった.このセグメントの企業に対して集約的な聞き取り調査を行い,(1)主要なマーケット,(2)能力形成,(3)人材育成・確保,(4)産業クラスターとの関係,(5)今後の戦略,等について明らかにした.この成果は次年度に計画しているアンケート調査票作成に生かされる. 2.近年発展が見られるバングラデシュのIT企業に対するアンケート調査を行った.この調査は,上記のインドIT企業に対するアンケート調査との比較を念頭において実施された.とりわけ,産業クラスターが個々の企業に対していかなる意味を持っているかという点が,本調査の主要な論点であり,インドとの比較分析が行われる予定である. 3.IT産業およびそのクラスターを取り巻く世界経済は著しい構造変化の途上にあるが,この理解は,世界経済の文脈の中で後発産業発展を理解するという本研究のフレームワークにとって重要な課題である.そこで本年度は,主に数量的・制度的な観点から,BRICsと称される諸国に世界経済の発展軸が移動してきていることを実証する研究を行った.この解明は,本研究を取りまとめる際のバックボーンを構成することとなる.
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