2009 Fiscal Year Annual Research Report
東北アジアにおける金融インフラストラクチャーの歴史的構造
Project/Area Number |
20402030
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
矢後 和彦 Tokyo Metropolitan University, 社会科学研究科, 教授 (30242134)
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Keywords | 金融制度史 / 東北アジア / 露清銀行 / 国際銀行 / 決済慣行 / 露亜銀行 / 極束銀行 / ロシア経済史 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀末から20世紀中葉にいる時期の東北アジアを対象として、当該地域における金融インフラストラクチャーの歴史的構造を経済史の視点からあきらかにする。平成21年度は研究期間の第二年にあたり、以下の研究実施計画に沿って研究推進した。 第一に、本研究の中核的な対象となる露清銀行(1896年創業、1910年改組)・露亜銀行(1910年創業、1926年破綻)の経営史につき、ひきつづき検証をおこなった。今年度はロシアの銀行と密接なつがりを有したフランスの銀行に焦点をあてて資料の検討作業を進つめた。その結果、新たな課題トシテロシア極東と中国東北部を結ぶ浮かびってきた。その成果を国際学会(World Economic History Congress)大会にて発表し、研究連絡をおこなった。そのための調査出張所旅費を執行した。 第二に、本研究の焦点しなる金融インフラストラクチャーについて、交通・通信手段の発展とのかかわりをあらたに検証した。シベリア鉄道敷設とのかかわりなど、当該研究課題をロシア史の文脈に改めて位置づけることが課題となった。そのための文献資料の物品購入費を執行した。 第三に、上記の露清銀行・露亜銀行のアジアにおける後継となる極東銀行(1922年創業)について、一次資料にもとづく検討を開始した。同行については、貸借対照表の分析をふまえた英文の文論を執筆し、その仕上げのための英文校閲料を執行した。
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