2008 Fiscal Year Annual Research Report
多文化社会ハワイにおける沖縄系、日系、中国系、コリア系の民族間交渉と文化創生
Project/Area Number |
20402041
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
白水 繁彦 Komazawa University, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 教授 (80095942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 克彦 立命館大学, 国際関係学部, 講師 (80449529)
城田 愛 大分県立芸術文化短期大学, 国際文化学科, 講師 (80425389)
野入 直美 琉球大学, 法文学部, 准教授 (90264465)
李 里花 LEC東京リーガルマインド大学, 総合キャリア学部, 講師 (50468956)
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Keywords | 多文化社会 / ハワイ / 民族祭 / 民族間交流・交渉 / 文化創生 / 変容エージェント / エスニック・アイデンティティ / エスニック・イベント |
Research Abstract |
多民族社会ハワイにおける構成民族間の交流と文化創生の過程を、民族祭を中心としたフィールドワークによって明らかにするため、全メンバーが2008年8月から9月(一部2009年1月)各島に赴いた。白水は日系と沖縄系の周年祭の調査をオアフ島、ハワイ島において実施した。今回は特に、1985年に催された官約移民百年祭の調査研究に注力。エスニック・リーダーなどの変容工ージェントたちが主流社会との軋礫を避けながらも各種イベントやメディアを通していかに自民族イメージ確立のために働いたかを明らかにした。中野はハワイにおける中国系と他の民族集団との民族間交渉の実態を解明すべく、中国系民族祭「水仙祭」を分析し、主流社会の多様な文化要素が導入されるなど、文化的交渉が行なわれている実態を明らかにした。城田はハワイ島における先住ハワイアン系のフラの指導者への文化の継承に関するインタビューや、ハワイ観光局等におけるハワイにおける最大規模のイベントである「アロハ・フェスティバル」に関する情報の収集、さらにオアフ島における著名な民族イベントである「ハワイ・オキナワン・フェスティバル」の先住ハワイアンと沖縄系の芸能を通した交渉の観察など、基礎的かつ重要な資料収集および聞き取り調査を実施した。野入はブラジル・アルゼンチン沖縄移民100周年記念式典を参与観察し、島嶼型・集住型のハワイ・タイプの沖縄系ネットワークに対して、大陸型・拡散型のブラジル類型の存在を仮説的に示した。李は、コリア系移民の民族祭と食文化に表象される民族間交渉と文化創生について基礎的な調査研究を行ない、ハワイのコリア系民族祭の開催の経緯の概略を跡づけるとともに、コリアン民族祭以外のコリア系イベントを調査し、民族的イベントの位置づけを試みた。さらに、民族間交渉の越境性を明らかにするために、韓国の民族祭等の支援機関で資料収集とインタビュー調査を行った。
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