2010 Fiscal Year Annual Research Report
福祉社会・政策デザインにおける次世代人材育成の国際比較
Project/Area Number |
20402049
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久塚 純一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90037086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡澤 憲芙 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60063773)
坪郷 實 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (20118061)
畑 恵子 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60164836)
篠田 徹 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (60196392)
早田 宰 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80264597)
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Keywords | 次世代人材育成 / 国際比較 / 福祉社会 / 世代間 / NPO |
Research Abstract |
「福祉社会の変容」と「政策デザインの担い手としての次世代の育成」との関係について、総論的観点からと各論的観点から研究を実施した。 総論的研究は、(1)低成長時代に高福祉・高負担型社会がどのように対応したかについて北欧諸国家をフィールドとして岡澤が、(2)ドイツのシュレーダー「赤と緑」の連立政権期、大連立政権期、メルケル保守リベラル政権期における政策の変容について、政権交替した場合でも揺らぎのないシステムという観点から、坪郷が研究した。同様の観点から、(3)早田はイギリスについて、(4)久塚は日本とフランスについて、(5)篠田は日本とアメリカについて、(6)畑はメキシコについて研究した。研究の結果、日本とメキシコについては、グローバル化や政権交代などの変化に対しての影響が、具体的施策の場面でも見られることが伺われた。 各論的研究は、次世代人材育成の具体的な施策について、(1)久塚はフランスにおける若手研究者の育成、日仏の工芸職人の次世代の育成を、(2)岡澤はグローバリゼーションの潮流の中での次世代育成について、(3)早田はイギリスの福祉専門職の資格取得制度と再教育制度について、(4)坪郷はワーク・ライフ・バランス政策などをベースにして家族政策の担い手を、(5)篠田は日米の労働運動における次世代育成の可能性に焦点を絞り研究を行い、(6)畑は新自由主義的社会政策が主流であるメキシコについて、メキシコシティの高齢者・女性・家族についての政策と、大学やNPOが政策形成に果たす役割に関して研究を行った。 得られた知見は、成熟した市民社会を基盤とした国や地域においては、グローバルパラダイムでの対話が可能な社会を形成することの必要性が認識され、新しい「市民社会的な担い手」が登場しており、結果的に、市民的専門家と専門家的市民との対話が促進されることとなり、政権交代の中でも揺らぎのない福祉社会形成の可能性が拡大しているということである。
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Research Products
(13 results)