2008 Fiscal Year Annual Research Report
小規模校にオルタナティブ教育を導入する教育効果に関する国際協同研究
Project/Area Number |
20402054
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伏木 久始 Shinshu University, 教育学部, 准教授 (00362088)
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Keywords | オルタナティブ教育 / デンマーク / スウェーデン / 少人数教育 / イエナ・プラン |
Research Abstract |
本研究は,全校児童生徒数や教職員数がきわめて少ない小規模校を対象に,少人数であるがゆえの長所を最大限に生かし,短所と考えられてきた教育条件を克服するための教育方法を開発し,その教育効果を明らかにすることを目的としている。その初年度である平成20年度は,"個に応じた教育"を具体的に実現する教育方法に関する文献研究を中心に取り組んだ。具体的には,個性と協同性の両方を重視する中で,一人ひとりの自己学習能力を高めるために考案された「イエナ・プラン」や「ドルトン・プラン」といったいわゆるオルタナティブ教育の学習システムに関する文献を集め,翻訳作業を含めた資料収集を行った。近年,北欧諸国やオランダの小規模校で注目すべき成果をあげているこれらの教育方法・学習スタイルを,長野県内の山間僻地の小規模校において採用し,単なる学力向上のみならず,自ら意欲的に問題解決に取り組む子どもたちの姿を実現させようとする「僻地教育プロジェクト」を実現させていくために,その人的ネットワークの環境づくりにも着手した。さらに,本研究の海外調査対象地として,(1)フィンランド,(2)スウェーデン,(3)デンマーク,(4)キューバといった福祉国家型の教育システムを採用する学校現場を選定し,2年目以降の海外調査のための準備を行い渡航計画を作成した。 本研究がモデルとするオルタナティブ教育は,充実した教育予算の裏付けが必要となり,そのままのかたちを日本に紹介しても有効性に限界があるが,海外の事例を調査する中で,その教育理念や教育方法については,日本型の教育制度を採用する国においても導入可能なレベルがあり,その点を明らかにして日本の過疎地の教育実践をサポートするという点において社会的・教育的な意義がある。
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Research Products
(5 results)