2009 Fiscal Year Annual Research Report
デンマークにおける地方分権制度とインクルーシヴ教育に関する研究
Project/Area Number |
20402069
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
眞城 知己 Chiba University, 教育学部, 准教授 (00243345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是永 かな子 高知大学, 教育研究部・人文社会科学系, 准教授 (90380302)
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Keywords | インクルーシヴ教育 / 地方分権化 / デンマーク |
Research Abstract |
平成21年度は、20年度に引き続き、各地域の情報収集に徹したフィールド調査を実施した。21年度の研究目的は、AMT廃止前の時点で、統計上、特別学校において拡大特別ニーズ教育を受けている生徒が多かった地域を中心にしたフィールド調査を実施した。本年度訪問した地域は、旧AMTでいえば、特にAarhusを中心としたエリアを重点的に調査を進めた。この地域は、拡大特別ニーズ教育を通常学校以外で受けている割合の高い地域の代表例である。 本年度の調査から明らかになってきたのは、1)特に地域の学校レベルでは、同地域が特別学校に措置されている生徒が多いことがほとんど自覚されていないこと、すなわち、特別学校が地域のインクルーシヴ教育に果たす役割を適切に理解できていないままに、実践が進められている可能性があること、2)適常学校においては、自尊感情に配慮した指導に力が入れられており、地域の教育センターでもこれをサポートする職員を派遣したり、スーパーバイズを行って、具体的な指導の把握に努めていたこと、3)従来は特定の方法論に依拠することが少なく、学校独自の実践がおおかったのに対して、近年では特に通常学級に在籍する自閉症の生徒に対する方法論(応用行動分析学)が導入されるようになったこと、および4)特別ニーズ教育に関して、毎年報告書を作成して、地域の取り組みを適切な文書として残す取り組みを行う自治体が出てきたことなどが明らかとなった。本年度も、各市のレベルでの責任が大きくなったことに伴って、総じてPPRの役割と責任が拡大する傾向にあることが明らかとなった。22年度に行う収集資料の総評価に向けて着実に資料を収集することができた。
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