2008 Fiscal Year Annual Research Report
超高エネルギー宇宙線解明のためのLHC陽子衝突での超前方測定
Project/Area Number |
20403004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 好孝 Nagoya University, 太陽地球環境研究所, 教授 (50272521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 公明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (40173744)
さこ 隆志 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (90324368)
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Keywords | 宇宙線 / 素粒子実験 / 加速器 / 実験核物理 / 国際研究者交流 / スイス:伊:米:仏 |
Research Abstract |
LHC加速器の稼動に備え、CERN現地に常駐体制を開始した。実験開始前の最終調整として、データ取得系を中心にリアルタイムモニターの整備等を行い、実験開始の準備は整った。しかしLHC加速器はH20年9月の事故後1年程修理に要する事になった。このため常駐体制は平成21年11月まで一時中断した。この間、データ取得の方針に関する打合せ等のため断続的にCERNに研究打合せを行った。また、MCシミュレーション研究を進め、14TeV衝突における中性パイ中間子測定の精度と空気シャワー観測に与える影響について考察した結果をまとめ、論文として投稿中である。 LHC加速器は平成20年11月より運転を再開し、我々も再び常駐体制を再開した。12月には重心系900GeVでの初めての陽子陽子衝突に成功し、LHCf実験も成功裏にデータを取得した。その結果、ビームパイプ中の残留ガスと陽子ビーム衝突に起因するバックグランドは当初の予想通り非常に小さいことがわかった。現在詳細を解析しており論文投稿の準備を進めている。 一方、ハドロン理論研究者との交流を進め、宇宙線反応モデルについての勉強会や、空気シャワー実験研究者との研究打合せを進め、LHCf実験の成果を今後どう展開させていくか議論を行い、合同研究会の開催など、LHC実験、ハドロン理論、宇宙線観測の3分野にまたがる分野横断的研究を開始した。
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Research Products
(17 results)