2009 Fiscal Year Annual Research Report
超高エネルギー宇宙線解明のためのLHC陽子衝突での超前方測定
Project/Area Number |
20403004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 好孝 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (50272521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 公明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (40173744)
さこ 隆志 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (90324368)
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Keywords | 宇宙線 / 実験核物理 / 加速器 / 素粒子実験 / 国際協力 |
Research Abstract |
本年度はSPSビームテストで較正したLHCf検出器を実際にLHC加速器トンネル内に設置し、陽子陽子衝突データ取得のための現地準備を行った。現地でのデータ取得システム構築やモニタープログラムの整備を進め、ランに向けての準備を完了した。H20年9月にはLHCの初ビーム周回が成功し、LHCf検出器も実際にビーム起因のイベントを記録する事に成功した。残念ながらその直後にLHC加速器の故障が発生し、予定されていた陽子陽子衝突は1年あまり延期されることになった。この復旧作業の進展状況に合わせ、LHC加速器の運転スケジュールも改訂され、重心系900GeV及び7TeV衝突のランの実施がH21年暮れに行われる見通しとなったため科研費の繰越により対処した。 その後、H21年10月ごろより、LHC加速器の再稼動にあわせて現地に常駐を開始し、データ取得の準備を行った。12月には初めて重心系900GeV衝突が行われ、LHCf実験の初データ取得に成功した。H22年3月には重心系7TeV衝突が開始されLHCf実験は同年7月末までデータ取得を続けた。 得られたデータの解析を進め、900GeV衝突データの初期解析から、陽子ビームとビームパイプ残留ガスとの散乱に起因するバックグランドは予想通り無視できる量であること、SPSビームテストで得られたエネルギー較正はおおむね正しいこと、電磁シャワーとハドロンシャワー弁別が可能であること、などがわかった。900GeV初期データについては公表し、LHCC、学会等で発表を行った。
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Research Products
(7 results)