2010 Fiscal Year Annual Research Report
超高エネルギー宇宙線解明のためのLHC陽子衝突での超前方測定
Project/Area Number |
20403004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 好孝 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (50272521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 公明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (40173744)
さこ 隆志 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教 (90324368)
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Keywords | 宇宙線 / 素粒子実験 / 加速器 / 実験核物理 / 国際協力 |
Research Abstract |
LHC陽子-陽子衝突での超前方領域における中性粒子の測定により、超高エネルギー宇宙線の空気シャワー発達の理解の精密化を目的としてLHCf実験を遂行した。本研究では検出器をLHC加速器トンネル内に設置した後、LHC加速器2009-2010年にCERNに滞在しながらデータ取得のための調整や現地折衝を続け、ついに重心系エネルギー0.9TeV及び7TeVでの陽子-陽子衝突データでの超前方中性粒子スペクトルの取得に成功した。また、本測定の前後2回にわたり検出器をSPSビームに照射し、エネルギー再構成、位置再構成、ガンマーハドロン弁別性能等を調べた。これによればビーム照射での放射線などによる測定器性能の顕著な劣化は見られなかった。 取得された超前方中性粒子データの解析を進め、0度でのガンマ線エネルギー測定の結果をまとめた。エネルギー絶対値の較正のため、7TeV衝突データの2ガンマ線サンプルから中性パイ中間子やエータ粒子の質量再構成を行い、SPSビームテストでのエネルギー較正の結果と5%以内で一致していることを確認した。これらを元にガンマ線エネルギースペクトルを異なる2つのrapidity領域で求め、宇宙線シャワーシミュレーションで用いられているハドロン相互作用モデルとの比較を行った。その結果、データはいかなるハドロン相互作用モデルとも一致せず、特に0度においてデータはどのモデルよりもソフトなスペクトルを示す傾向である事がわかった。
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Research Products
(12 results)