2009 Fiscal Year Annual Research Report
タクラマカン砂漠上の局地循環と黄砂の発生機構の解明
Project/Area Number |
20403008
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
甲斐 憲次 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50214242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 靖 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (80283472)
竹見 哲也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10314361)
田中 泰宙 気象庁, 気象研究所, 主任研究官 (50435591)
常松 展充 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 客員准教授 (80524462)
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Keywords | 黄砂 / 環境変動 / ライダー / 数値モデル / タクラマカン砂漠 |
Research Abstract |
甲斐は、平成21年3月、中国新彊ウィグル自治区アクスのライダーシステムにYAGレーザーの基本波1064nmの受信チャンネルを増設し、多波長化を完了した。また、短期間の予備観測を行った。平成21年度は、この新ライダーを用いて、春季および夏季に現地タクラマカン砂漠にてスペースライダーCALIPSOと同期した集中観測を実施する予定であった。ところが、現地・新彊ウイグル自治区で暴動が発生し、観測を中止した。 甲斐は、現地調査を取りやめ、平成21年度3月に取得した予備観測のデータを解析した。わずか3日間のデータではあったが、幸運なことに、スペースライダーCALIPSOと同期した観測結果が得られた。地上設置ライダー(アクス)とスペースライダーCALIPSOのデータを合成することにより、データ空白域とも言えるタクラマカン砂漠において、はじめて、黄砂の光学特性、すなわち後方散乱係数、偏光解消度、カラー比等を得ることができた。このほか、甲斐は、従来の観測データ(ライダー、エアロゾルサンプリング、衛星観測)をもいて、タクラマカン砂漠のダスト総量を見積もった。 竹見は、高分解能数値モデル(LES)を用いて、砂漠域における塵旋風の構造の感度実験を行った。常松は、地球温暖化が黄砂の発生と輸送に及ぼす影響の数値シミュレーションを行った。 本年度の研究経費の内、海外調査に関わる経費は、次年度に繰り越した。繰越の内容は、つぎのとおりである。(1)現地観測データのさらなる解析行う、(2)現地気象データの交換のため、中国側の研究者を名古屋大学に招へいする。(3)招へい研究者は、国際ワークショップに参加し、研究交流をはかる。
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Research Products
(18 results)