2008 Fiscal Year Annual Research Report
光学観測適地での高空間分解観測に基づく水星外圏大気生成起源の探査
Project/Area Number |
20403010
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三澤 浩昭 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 准教授 (90219618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡野 章一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10004483)
土屋 史紀 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (10302077)
野澤 宏大 鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科理系, 准教授 (60398914)
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Keywords | 水星 / 外圏大気 / 光学観測 / 大気放出機構 / モデリング |
Research Abstract |
水星には、大気密度が極めて希薄なため惑星表面が外圏圏界面となる大気(外圏大気)が存在する。この外圏大気の起源として、高温の水星表面からの大気粒子の光脱離や熱脱離、惑星間微粒子や太陽風粒子の惑星表面への衝突による蒸散やスパッタリングが想定されている。更に、これらの過程の進行に伴う惑星表面大気源粒子の不均一性や、衝突粒子の不均一降下が大気放出を変調させていると考えられる。本研究は、水星の外圏大気の生成起源を実証的に解き明かすことを目的にする。このため、未だ情報が限られている水星外圏大気の空間分布および速度分布及びそれらの時間変動特性を、様々な水星-太陽間距離及び水星の視位置条件に対して、大気シーイング条件に優れた光学観測適地での高精度観測により詳細に調査する。更に、これらの観測結果と大気生成に関する数値シミュレーション計算結果とを比較・検討することにより、大気起源の探査・究明を行ってゆく。 研究初年度の本年度は、先ず世界的な光学観測適地であるハワイ・マウイ島のハレアカラ山頂の観測サイトに水星外圏大気のナトリウム発光を高精度で計測する高分散観測装置を立ち上げた。さらに、本装置にまる水星大気観測を平成20年6月および11月に実施し、水星近傍および水星遠方の反太陽方向(尾部方向)の大気状態の情報を得た。また、大気の成因を探るため、開発済みの大気の静的分布特性を解析する数値計算コードを用いて、特に水星尾部の大気分布および流速分布の解析を行い、水星尾部に広がる大気は水星表面のスパッタリングにより生成される可能性を見出した。以上の成果は国内外の複数の研究会・学会で発表するとともに、それらの一部は学術論文として公表された。
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