2008 Fiscal Year Annual Research Report
極域電離圏カスプ領域におけるプラズマイレギュラリティの発生メカニズム解明
Project/Area Number |
20403012
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
阿部 琢美 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 准教授 (40255229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 義文 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (30260011)
横田 勝一郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教 (40435798)
下山 学 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, プロジェクト研究員 (30435804)
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Keywords | 電離圏 / カスプ / 観測ロケット / プラズマイレギュラリティ |
Research Abstract |
極域電離圏プラズマの研究に用いられるHFレーダー観測において、予期しない強い後方散乱波を受信する事がある。このようなエコーは、降下粒子の存在する極域カスプ領域で発生しているらしい事、光学観測により同定されるカスプの位置に一致する事、後方散乱波の領域は630nmの波長で観測される極域カスプの発光領域に一致する事等がその後の研究結果として報告された。 後方散乱エコーを作り出す可能性として約10mの空間スケール長(レーダ波長の約半分)をもつプラズマの密度擾乱が考えられているが、擾乱の高度分布に関するデータは得られておらず、その発生メカニズムについては解明がほとんど進んでいないのが現状である。本研究の目的は固定バイアスプローブと低エネルギー電子計測器を初めとする測定器を観測ロケットに搭載し、カスプ領域を目がけて打上げ、取得したデータを用いて本現象の解明を目指す事にある。 平成20年度はまず前半に別予算にて開発された上記2つの測定器を持ち込んでの噛み合わせ試験(6月にノルウェーにて機械系噛み合わせ試験、9月にスウェーデンにて総合噛み合わせおよび環境試験)を実施し、その後国内にて各測定器の較正試験に実行し最終的な調整を行なった。 11月下旬に行われたノルウェー・スバールバル島でのロケット打ち上げフライトオペレーションには阿部、斎藤、横田の3名か参加した。当初の目的を果たすべくロケットの飛翔領域に後方散乱波が発生している事を見極めた上でロケットの打ち上げを行い、搭載測定器は予定通り動作し無事データの取得を行った。その後、取得データの解析に取り組み、電子密度擾乱の高度プロファイルなどに興味深い結果が得られている。学会やシンポジウムでの発表も行いつつある。
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Research Products
(2 results)