2009 Fiscal Year Annual Research Report
極域電離圏カスプ領域におけるプラズマイレギュラリティの発生メカニズム解明
Project/Area Number |
20403012
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
阿部 琢美 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 准教授 (40255229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 義文 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 准教授 (30260011)
横田 勝一郎 独立行政法人 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教 (40435798)
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Keywords | 電離圏 / カスプ / 観測ロケット / プラズマイレギュラリティ |
Research Abstract |
極域電離圏プラズマの研究に用いられるHFレーダー観測において、予想外に強い後方散乱波を受信する事がある。このような後方散乱エコーを作り出す可能性として約10mの空間スケール長(レーダ波長の約半分)をもつプラズマの密度擾乱が考えられているが、擾乱の高度分布に関するデータは得られておらず、その発生メカニズムについては解明がほとんど進んでいないのが現状である。本研究の目的は我々の開発した固定バイアスプローブと低エネルギー電子計測器を他の観測機器とともにノルウェーの観測ロケットに搭載し、カスプ領域を目がけて打上げ、取得したデータを用いて本現象の解明を目指す事にある。 観測ロケットは平成20年12月にスバールバル島(ノルウェー)にて成功裏に打ち上げられ、当初目的としたデータが首尾よく取得された。平成21年度は、まずそれぞれの測定器を担当するグループ内にて、初期解析が行われた。電子密度擾乱域はロケット飛翔中に3度にわたり観測され、波長630nmの全天カメラ画像データとの比較が行われた。高サンプリングレートの電子密度データに対してFFT処理を施した結果、電子密度擾乱のパワースペクトル分布が得られている。低エネルギー電子計測器については、当初予定していたエネルギーレンジとピッチ角分布のデータが22ミリ秒毎に得られており降下電子の卓越する領域に関し他のデータとの比較が行われている。また、Kinetic Alfven波の存在を示唆するデータも取得されており、この観点からの研究も期待できる。 22年1月にはノルウェー国オスロにおいて、本ロケット実験の関係者を集めた第1回研究会が行われた。本実験により得られたデータとその解析結果、議論についての研究発表が21年度に開催された国内学会において行われている。
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Research Products
(2 results)