2010 Fiscal Year Annual Research Report
チベット高原の湖テクトニクス:湖岸線の隆起と下部地殻の粘性
Project/Area Number |
20403014
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
WALLIS R・SImon 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (30263065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷺谷 威 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (50362299)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
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Keywords | チベット / 湖岸段丘 / 納木湖 / 隆起 / 下部地殻粘性 |
Research Abstract |
Landsatの衛星画像を用いてDETMを作成し、Nam Co周辺の湖の水位が現在より深い時期、湖はどのよう分布したのかを検討した。その結果、水は現在より約100m深くても、Nam Coは他の湖から独立したものとして存在し、水位の変化と段丘の隆起の関係を解析する際、Nam Coに限られた地域のみを考慮する方法は妥当であることを示した。2010年9月チベットのNam Co週辺で野外調査を行った。調査内容は地形の記載、精密測量、年代測定用の炭酸沿岸の採取であった。KinematicGPSを用いて、計40箇所で湖岸に対してほぼ垂直にプロフィールを測量した。また、簡易GPSを用いて追加のプロフィールをさらに10カ所で測定した。野外で測定したデータを解析するため、地形の傾斜、曲率などを算出し、様々な形で地形の特徴を示す図を作成した。また、中国の研究協力者を日本へ招聘し、PRISMとLandsatのデータの併用の仕方などについて教わり、段丘の高さ決定に使った。その結果、計5つの主要な湖岸段丘を特定し、それらを用いて地盤の隆起・沈降を調べるマーカーとして使うことにした。誤差の評価などはまだ検討中であるが、有意な隆起は認められなかった。さらに、持ち帰った炭酸塩岩(トゥーファ)試料を用いて年代測定を行った。また、測定した岩石の組織を観察し、複数回の形成がある試料も存在することが判明した。酸素と炭素の安定の同位体測定も形成時期の異なる複合岩体であることを裏付ける結果となった。炭酸塩岩の採取した標高を決定するため、野外の測定と衛星画像から得られた標高を併用した。その結果、すべての試料は現在の水位より10-15mより高いところで採取した。年代測定の結果、炭酸塩岩は3000-7000年前の間に成長したと推定した。チベット地質に関する業績を出版し、複数の国内外のシポジウムに参加し、研究成果を発表した。
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[Journal Article] ^<14>C Dating of Tufa Deposits Around Lake Nam Co, Tibet.2011.2011
Author(s)
Wallis, S., Nakamura, T., Mori, H., Ozawa, K., Mitsuishi, M., Shirakawa, C., Hayashi, S
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Journal Title
Summaries of Researches at Nagoya University Using AMS
Volume: 22
Pages: 174-179
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[Journal Article] Middle to late Miocene extremely rapid exhumation and thermal equilibration in the Kung Co rift, southern Tibet2011
Author(s)
Lee, J., Hager, C., Wallis, S.R., Stockli, D.F., Whitehouse, M.J., Aoya, M., Wang, Y.
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Journal Title
Tectonics
Volume: 30
Pages: TC2007
Peer Reviewed
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