2008 Fiscal Year Annual Research Report
永久塩泉による海洋深層水湧昇と海洋表層緑化メカニズムの解明
Project/Area Number |
20404007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
圓山 重直 Tohoku University, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小宮 敦樹 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (60371142)
矢吹 崇 東北大学, 流体科学研究所, 産学官連携研究員 (60451514)
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Keywords | 永久塩泉 / 海洋深層水 / 海洋緑化 / 海洋生物生産向上 |
Research Abstract |
ストンメルの永久塩泉の原理を利用して栄養塩に富む海洋深層水を汲み上げ,海洋砂漠と言われている栄養塩の乏しい領域の生物生産性を向上させることを目的とした研究として,本年度は次の研究を行った.まず,海洋深層水汲み上げ装置と計測法に関する検討として,永久塩泉の原理による海洋深層水の汲み上げ技術の確立を目的とした,全自動海洋深層水汲み上げ装置と計測手法を構築した.さらに,湧昇流の流速測定方法を検討し,高深度の実験に耐え得る計測システムを構築した.次に深層水汲み上げ装置及び計測手法の実証実験として,小型船舶を用いて仙台湾内において製作した実験装置及び計測手法の評価試験を行った.製作した実験装置及び計測システムの信頼性を海洋実験において確認し,単独パイプを用いて,湧昇流の速度を測定した.併せて,海洋実験における海流を考慮した湧昇パイプ形状についても実験的検討を行い,水槽実験を実施することで,パイプ断面の最適形状を決定した. また,海洋実験に向けた数値解析的アプローチとして,海洋深層水の表層拡散現象のシミュレーションを単独のパイプのケースについて行った.結果として,湧昇した海洋深層水は表層にてわずかながらに沈降し,その後深度を保ちながら下流方向に移流していき,湧昇後沈降することなく海洋表層域にとどまり,拡散していくということが明らかとなった.これらの知見を生かして,海洋深度方向の塩分・温度分布から,海洋深層水の表層滞留及び拡散が可能な海域を選定し,その一つとしてオーストラリア西部の海域について現地調査を行った.パース大学にて海洋学を専攻している研究者と当該海域における湧昇可能性の検討を行った.
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Research Products
(4 results)