2010 Fiscal Year Annual Research Report
バングラデシュ村落部における地下水中ヒ素除去装置の開発と普及に関する実証的研究
Project/Area Number |
20404011
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
北脇 秀敏 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (60251344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福士 謙介 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 准教授 (30282114)
杉田 映理 東洋大学, 国際地域学部, 准教授 (20511322)
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Keywords | バングラデシュ / 地下水 / ヒ素対策 / 適正技術 / 商業化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、バングラデシュ村落部において地下水中ヒ素除去装置を普及させる手法を考察することである。その目的の実施のため、平成22年度は2回の現地調査を行い、前年度に設置した実証プラントの使用状況の調査を行った。また平成22年度は、調査対象地域の住民の健康問題に関する調査を行った。すなわち体重等の住民の体格調査、市場における摂取可能な食材や栄養状況の調査等を行い、ビタミン摂取によるヒ素の体外への排出に関する研究も行った。さらに貧困層に対して日青除去装置を普及させる際の考え方としてBOPビジネス(Bottom of the pyramid business)に関する研究に着手した。その一環として統計資料等による家計支出額の算定、可処分所得に対する水供給への支出可能額の概算などを考慮することにより、どのような水供給技術が現地において経済的に利用可能かなどを算出することを目指した。さらにヒ素により汚染されている比較的浅い管井戸の代替水源としての深井戸の建設の可能性を調査するため、すでに建設されている深井戸の使用状況についての調査を行った。なおバングラデシュでは水がめとして最近プラスチック製の40L容器の普及が著しく、それを利用した水の保管状況の調査も行った。さらにその水の処理(凝集・殺菌)を行うための薬品類の市場での調達の難易度や価格の調査も行い、代替水源の処理による安全な飲み水供給の可能性も調査した。平成22年度はこのように前年度までのAIRP(鉄・ヒ素同時除去装置)の商業化だけではなく代替水源や、表流水等の処理と、そのためのBOPビジネスまで研究の幅を広げて作業を行った。
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