2010 Fiscal Year Annual Research Report
メコン川底質中の有害物質の原位置浄化に関する調査研究
Project/Area Number |
20404024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 千弘 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (30271878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 武 独立行政法人産業技術総合研究所, 地圏環境資源部門, 副部門長 (30357024)
須藤 孝一 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 准教授 (90291252)
畑山 正美 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助教 (30447148)
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Keywords | メコン川流域 / 環境調査 / 環境修復 / リスク評価 / POPs / 重金属類 / 底質 / 土壌 |
Research Abstract |
本研究はメコン川最下流域のベトナムにおいて、河川の底質中に蓄積したPOPs(残留性有機汚染物質)をはじめとする有害有機塩素化合物、並びにヒ素などの重金属類の汚染実態を明らかにするとともに、環境影響の大きいこれら有害物質に対しわが国で検討されてきた低コストの原位置ないしオンサイト浄化手法の適用可能性を調査することを目的としている。 22年度はカウンターパートであるノンラム大学(ホーチミン市)大学において、21年度の現地調査で採取した底質試料を用い、農薬等をスパイクしたトリータビリティ試験を実施し、一定の分解効果が認められることを明らかにした。また、新たに採取した底質試料および土壌試料を用い、農薬の代表としてγ-BHC(リンデン)をスパイクした上で、鉄粉あるいは黄鉄鉱を添加したトリータビリティ試験を実施した。土壌の種類や設定条件により差異はあるものの、これらの処理によりリンデンの分解効果が認められることを明らかにした。また、並行して日本側で行った基礎実験によって、鉄粉による各種有機塩素系農薬の分解やPAHsなどの有害有機物質の微生物分解が可能であることが示された。2011年3月の東日本大震災の影響で、メコン川デルタ地帯から底質試料および土壌試料採取が実施できなかったため、2011年7月にノンラム大学側で、メコン川デルタ地帯の現地調査を実施し、採取した底質試料および土壌試料の分析を行なった。これまでの調査と同様、一部の地域から重金属類や農薬が検出されるものの、著しい蓄積を示すような場所は見いだせなかった。 2011年3月に日本側チームがノンラム大学を訪問し、研究実施計画の詳細について協議を行い、実行計画の見直しを行った。また2012年3月に日本側チームがノンラム大学を訪問し、これまでの調査で得られた分析データの評価を行うとともに、最終的な研究の取りまとめを行なった。
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Research Products
(9 results)