2008 Fiscal Year Annual Research Report
北緯80度カナダ北極圏における温暖化影響評価の為の土壌炭素動態に関する観測調査
Project/Area Number |
20405003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内海 真生 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (60323250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊田 英峰 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (60318194)
内田 昌男 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 研究員 (50344289)
内田 雅己 国立極地研究所, 研究教育系, 助教 (70370096)
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Keywords | 温暖化影響 / 北極圏 / 土壌生態系 / 土壌呼吸 |
Research Abstract |
北極・高緯度域は、過去の地球規模の気候変動に関する研究からも明らかなように、温暖化による温度上昇の影響を最も強く受けるとされている。陸地面積の約24.5%を占める永久凍土を含む北極・高緯度域の土壌圏には、過去の地質時代から累々と蓄積されてきたメタンなどを含むハイドレート層や土壌有機炭素が地表面近くに大量に蓄積されている。温暖化の進行は、これら気候変動に脆弱な炭素リザーバーを容易に不安定化させる要因となりうること、また、この結果、温暖化を加速させる正のフィードバックを引き起こす起爆剤となることが懸念される。本研究では、放射性炭素同位体比測定を利用した北極域土壌圏の温暖化影響評価手法の確立を目指し、研究の盛んなスバールバル諸島以外の北極・高緯度地域、特にこれまでほとんど調査・研究の進んでいないカナダ高緯度地域において、fossil carbon分解・放出のポテンシャルを評価し、北極・高緯度地域の土壌圏温暖化影響評価に広く応用可能な評価手法を確立・構築することを目的に海外調査研究を実施する。 H20年度は、7月3目〜7月15日の期間、カナダエルズミア島オーブロイヤー湾氷河退行域での現地調査を4名の研究員(内海真生、内田昌己、他2名)で行った。現地では、オーブロイヤー湾第2氷河末端から年代順に形成されているモレーン群を基準として、約4kmの直線トランセクトを設定し、各モレーン上および中間点での植生調査および土壌調査および土壌採取をおこなった。現在、持ち帰った試料の各種分析を鋭意実施している。
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