2010 Fiscal Year Annual Research Report
マメ科植物と種子捕食性昆虫における共進化の分子系統解析:毒性物質の効果
Project/Area Number |
20405006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 正和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40178950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 義晴 独立行政法人農業環境技術研究所, 生物多様性研究領域, 上席研究員 (10354101)
徳永 幸彦 筑波大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (90237074)
津田 みどり 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教 (20294910)
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Keywords | マメ科 / マメゾウムシ亜科 / 毒性物質 / 分子系統解析 / 広食性 / 狭食性 / 寄主シフト / Wolbachia感染 |
Research Abstract |
嶋田・伊藤(連携研究者)・加藤(伊藤研・特任研究員)は、メキシコのマメ科Acacia属のマメにつくハムシ科マメゾウムシ亜科Mimosestes属14種の分子系統樹から、進化の方向性を決めるための祖先形質復元の統計解析を行った。その結果、Mimosestes属のうちM.amicusなど4種で狭食性から広食性への進化を確認し、Mol.Phylogenet.Evol.(2010)に掲載された。これは従来からのEhrlich and Raven(1964)の主張した狭食化が進む学説を見直す貴重な報告となった。 藤井Lathurus属、Vicia属、Mucuna属およびPisum属の種子中に含まれる有毒成分の分析を行った結果、カナバニン、ベータシアノアラニン、L-ドーパおよびシアナミド等の非タンパク性アミノ酸が検出された。マメ科被覆植物として有望なクラウンベッチ(Coronilla)などのアレロパシー活性を検定し、種子に含まれる有毒成分の分析を開始した。 徳永は貯穀害虫マメゾウムシとして広食性を示すアカイロマメゾウムシでのWolbachiaの感染パターンについて、4地域系統を調査した。その結果Wolbachiaの感染に系統間で変異があるだけでなく、系統間同士の掛け合わせの際に、不完全細胞質不和合性にも変異があることを明らかにした。 津田は、マメ科3亜科のうち、マメ亜科のみはカナバニンなど毒性物質が多様である。マメゾウムシによるマメ亜科の利用において、細胞内共生菌ボルバキアの感染が寄与する可能性を検証した。旧世界産の15属98種についてWolbachia感染をPCR診断したところ、53%の属、14%の種において感染が発見できた。感染頻度は、地域(アジア、アフリカ、欧州、新世界)、気候(冷温帯、亜熱帯・熱帯)、系統群による偏りはなかったが、宿主となる植物でマメ亜科(19%)の方がネムノキ亜科・ジャケツイバラ亜科(11%)より感染頻度が高く、感染が寄主シフトを促進する可能性を示唆した。
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[Journal Article] The genetic architecture of metabolic rate : environment specific epistasis between mitochondrial and nuclear genes in an insect.2010
Author(s)
Arnqvist, G., Dowling, D.K., Eady, P., Gay, L., Tregenza, T., Tuda, M., Hosken, D.J.
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Journal Title
Evolution
Volume: 64
Pages: 3354-3363
Peer Reviewed
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