2009 Fiscal Year Annual Research Report
インド亜大陸の衝突と気候変動による淡水魚類の進化と生物地理の解明
Project/Area Number |
20405012
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
熊澤 慶伯 Nagoya City University, 大学院・システム自然科学研究科, 教授 (60221941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 浩之 鹿児島大学, 総合研究博物館, 准教授 (90433086)
岩田 明久 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (20303878)
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Keywords | 淡水魚類 / タイワンドジョウ / インド亜大陸 / 分子生物地理 / 古環境変動 |
Research Abstract |
本研究は、東南・南アジアに分布するいくつかの淡水魚類をフィールドワークにより採集し、その起源と多様化の過程を、最新の形態的・分子的手法を用いて解明することを目的としている。平成21年度は、4-5月にインド北東部及びオリッサ州、5月にタイ南部ラノーン県周辺、3月にタイ東部を採集調査地として選び、ナギナタナマズ科、コイ科、タイワンドジョウ科を始めとする様々な淡水魚類の採集を行なった。それらはタイ国の研究協力者Dr. Musikasinthornのもとで研究標本として整理し、DNA分析用の試料を日本で分析した。研究協力者のMr. Ratmuangkhwangが研究代表者の研究室に約6ヶ月間滞在し、タイワンドジョウ科とヘテロプネーテス科を中心に分子系統解析を行なった。その結果、タイワンドジョウ科のほぼ全種を網羅した分子系統関係の構築を行なうことができた。また、インド南西部のケララ地方に産するChanna diplogrammeが東南アジアに分布するChanna micropeltesの亜種ではなく独立した種であることを強く支持するデータが得られるなど、分類にフィードバックできる情報を多数得ることができた。一方、ナギナタナマズ科のほぼ全種を含んだミトコンドリアゲノム全塩基配列の分子系統解析を行ない、分岐年代の推定を行なった。その結果、アジア産のナギナタナマズ類はゴンドワナ大陸に起源し、インド亜大陸に乗ってユーラシアに分散した可能性を示唆するデータを得て、論文発表を行なった。
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[Journal Article]2009
Author(s)
熊澤慶伯
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Journal Title
第7章:分子データを用いた魚類の分岐年代の推定. 海洋生命系のダイナミクス-第1巻、海洋の生命史-生命は海でどう進化したか-(西田睦編)(東海大学出版会)
Pages: 122-138(420)
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