2010 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける大規模山体崩壊後の河川地形の経年変化に関する研究
Project/Area Number |
20405029
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
笹原 克夫 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (90391622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 忠範 独立行政法人土木研究所, つくば中央研究所・土砂管理研究グループ, 上席研究員 (70596444)
恩田 裕一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (00221862)
土屋 智 静岡大学, 農学部, 教授 (60197720)
小山内 信智 国土交通省国土技術政策総合研究所, 危機管理技術研究センター・砂防研究室, 室長 (30355862)
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Keywords | 土砂災害 / 森林工学 / 土砂流出 / 河床変動 / 国際情報交換 / インドネシア |
Research Abstract |
2004年3月26日に大規模な山体崩壊が発生して大量の土砂が堆積したインドネシア共和国南スラウエシ州ジェネベラン川上流部を対象に,その後の堆積土砂の侵食と流出,そしてそれに伴う河川地形の変化を見るために衛星画像解析と現地調査を実施した.衛星画像解析の結果,2004年から2008年にかけて堆積土砂の侵食が進行するが,1年目である2004-2005年の間の侵食土砂量が飛び抜けて大きく,2年目,3年目と侵食土砂量は減少していき,3年目以降の侵食土砂量はほぼ一定となったことが判明した.また侵食を受ける範囲も2年目までは拡大するが,それ以降はほぼ一定となった.ただし3年目以降も侵食深が30m以上という箇所が依然として多く見られた.次に現地調査の結果からは,2004年以降2009年にかけては侵食を受けるメインガリー部の幅,深さ共に増加することが確認された.しかし2009年以降はメインガリーの深さは大きくなることがなく,むしろ部分的には小さくなる箇所もある.しかしメインガリーの横幅の増加が著しくなり,2009年以降はガリーの側方(渓岸)侵食が卓越することが判明した. また下流への流下土砂の起源を探るために,ジェネベラン川上流部と中流部で採水を行い,含まれている土砂の放射性同位体元素の分析を行うと共に,採取時期の土砂流出量を,流水の濁度という観点で評価した.その結果流水の濁度の小さな時は,流出土砂の放射性同位体元素の組成から見て,土砂の起源は表土付近であること,逆に流水の濁度が大きい時はガリー内から土砂が供給されていることが判明した.
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Research Products
(12 results)