2009 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯大規模人工林における木材劣化生物の多様性評価と持続的管理の提案
Project/Area Number |
20405031
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 剛 Kyoto University, 生存圏研究所, 准教授 (40230809)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 修一 筑波大学, 生命環境科学研究科, 教授 (20279508)
竹松 葉子 山口大学, 農学部, 准教授 (30335773)
本田 与一 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (70252517)
大村 和香子 (独)森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究員 (00343806)
服部 武文 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (60212148)
|
Keywords | 熱帯人工林 / シロアリ / 菌類 / 生物多様性 / 持続的管理 |
Research Abstract |
1.シロアリ相調査 マレーシアおよびベトナムにおいて、4年生、6年生、9年生アカシアハイブリッド林および近郊の保護林におけるシロアリ種多様性の定量的調査を行った。調査の結果、マレーシアとベトナムのシロアリ種組成および多様性に大きな違いが見られた。マレーシアの保護林ではシロアリの多様性が高く、土壌食性のシロアリの多様性が高いことが特徴であり、植林により種数が著しく減少した。一方で、ベトナムの保護林と植林地では種組成に大きな違いは見られず、キノコシロアリ亜科の割合が大きいのが特徴であった。マレーシアで見られたような環境撹乱による大きな種組成の減少は見られなかった。 2.菌類相調査 マレーシアおよびベトナムにおいてアカシア植林が多孔菌類群集の種多様性と種構成に及ぼす影響を明らかにするために子実体採集調査を行った。マレーシアでは35種160個が採集された。3年生,6年生,18年生のアカシア林と非伐採林との間で種数に差は認められなかった。また,ベトナムでは21種202個の子実体が採集され,4年生,9年生のアカシア林と非伐採林との間で,同様に、種数に差は認められなかった。ベトナムおよびマレーシアで採集された多孔菌類群集のNMDSによる座標付けを行ったところ,第一軸で42.1%,第2軸で39.6%が説明され,非伐採区とアカシア林の間で種構成は異なった.また,アカシア林では地域によっても種構成が異なった.アカシア植林後,菌類の種構成はベトナムで小さく,マレーシアでは大きく変化した。ベトナムでは雨季と乾季が明瞭に分かれる一方でマレーシアでは明瞭な乾期が無いことから,植林により乾燥化がおこっている可能性が示唆された。
|