2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラオス北部山間地河川に生息する魚類の産卵場所と仔稚魚の成育場所を解明する研究
Project/Area Number |
20405032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩田 明久 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (20303878)
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Keywords | ラオス / 山間地河川 / 魚類 / 産卵場所 / 仔稚魚 / 成育場所 |
Research Abstract |
本研究は先行研究が全くない、ラオス北部メコン河支流の山間地河川ウー川中流域を調査地として、雨季と乾季、年に二回のフィールド調査を実施し、魚種同定と生態情報の収集、卵・仔稚魚の調査、水文環境・景観調査および水域環境測定等の環境特性の調査を行う。調査によって得られた情報を基に山間地河川に生息する魚類の産卵場所・仔稚魚の成育場所の特性を解明し、水産資源の適切な管理と持続的利用に向けての具体的な方策を提言し、当該国・地域に貢献することを目的とする。本研究から得られる結果は学術的価値が非常に高いばかりでなく、東南アジアの地域住民のヒューマンセキュリティーに大きく関わるタンパク質供給源のうち、ラオス・メコン河流域で重要な位置を占める水産資源の多様性維持と持続的利用に関して、重要かつ具体的に貢献ができるものである。 平成22年度は雨季である平成22年8月に岩田とプーヴィンが、乾季の平成22年12月に岩田・プーヴィンが現地調査を行った。一昨年度提示された、「山間地河川に生息する魚類の仔魚は乾季には緩流域滞留型成長を、雨季には流水域流下型成長を行う」という仮説を検証するために、一昨年度の乾季から実施した大型のプランクトンネットを用いての仔稚魚の流下調査を昨年度と同様、本年度の雨季と乾季に実施した。 一昨年度雨季のプランクトンネット仔稚魚流下調査のサンプルのソーティングが終了した。その結果、ナマズ科のふ化直後と思われる個体が確認され、雨季にふ化直以後の仔魚が流下しているという仮説が立証された。また、乾季の調査から、流下する仔稚魚が確認されるとともに、流下する発育段階が、前期仔魚期の種類と稚魚初期の種類に大別できたことから、種類ごとの流下・成長に関わる生態に変異がある可能性が示唆された。さらに、乾季、糸状緑藻のシオクサ類Cladophora spp.の繁茂する場所の一部を産卵場所とする魚種があることが確認された。
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Research Products
(2 results)