2009 Fiscal Year Annual Research Report
タイ汽水産エビ養殖における疫学および池環境調査-疾病回避型養殖法の開発に向けて
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20405033
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
浜野 かおる Japan International Research Center for Agricultural Sciences, 水産領域, 主任研究員 (70425528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 基晴 独立行政法人水産総合研究センター, 生産環境, 主任研究員 (70371961)
高橋 徹 熊本保健科学大学, 保健科学部・衛生技術学科, 教授 (70369122)
矢野 豊 独立行政法人水産総合研究センター, 利用加工, 室長 (70371854)
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Keywords | 環境 / 水産学 / 感染症 / 解析・評価 |
Research Abstract |
タイ南部・東部地域における疫学調査および環境要因との関係解明タイ南部では20年以上前から疾病の被害があるが、5年ほど前に当該地域で疾病が大発生し多くの養殖業者がエビ養殖を辞めた後、疾病が起こらなくなりた。40pptを越える高塩分環境下でもYHVD疾病は発生し、雨期乾期に問わず起こることから、YHVDの発生の季節性に関しては明確ではなかった。疾病の被害が少ない地域であると考えられてきたタイ東部においても、WSSDの発生が多く、その多くは冬季であった。WSSVの発生には季節性が強く、気温や水温低下の時期とよく一致していた。さらにこの時期は渡り鳥の数などが多い時期でもあり、それらの鳥類が病原ウィルスを運ぶ可能性があると推察された。疾病には地域性、季節性があることが徐々に明らかとなってきた。 養殖池臨地調査 富栄養化の進行した底泥では95種類の炭素源基質を資化する菌数に対して増殖速度の高い菌の割合が低下する傾向が認められ、増殖速度の高い菌の割合という指標がエビ養殖池の底泥の健全性を示す指標候補として使用できる可能性が示唆された。一方、エビ集約養殖池9カ所、半集約養殖池3カ所から採取した養殖エビ類について、抗生物質耐性菌(オキシテトラサイクリン:OTC)の分布を検討した結果、耐性菌が一般細菌数に占める割合(%)は、集約養殖池では0.01から52.1%、半集約養殖池では0.2から8%と養殖池間で大きく異なっていた。分離した耐性菌の多くはAeromonas属で、分類学的に食中毒性のグループと区別できなかった。OTCが水産養殖で汎用される薬剤であることを考えると、耐性菌比率が養殖池間で大きく異なっていることは(最大6,000倍以上の差)、各養殖池における投薬頻度や残留薬剤量の違いを間接的に表していると推察された。
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Research Products
(3 results)