2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20405034
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 啓一 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 標本資料センター, コレクションディレクター (70141984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 繁 北里大学, 水産学部, 准教授 (20170748)
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Keywords | フグ / 東南アジア / フィリピン / サバフグ属 / 毒性 / 分類 / 分布 / 筋肉 |
Research Abstract |
平成20年8月にフィリピンを訪問し、標本採集を行うとともに水産資源庁スタッフと研究打ち合わせを行った。また、従来、フィリピン側で採集した標本も今年度の研究に用いた。Visaya海から採集された7種51個体とルソン島Subicから採集された11種20個体のフグ科魚類の分類学的調査を行った後、毒性を分析した。モトサバフグLagocephalus spadiceu32個体の消化管の毒性は1.5〜223.1MU/g、肝臓0.2〜46.0MU/g、表皮0.5〜59.6MU/g、81.1筋肉0.2〜15.9MU/gであった。Subicでは同種1個体のみが得られ、表皮で81.1MU/g、筋肉で35.4MU/gと極めて高い毒性を示した。Visaya海産ドクサバフグL.lunaris 5個体の各部位の毒性は、モトサバフグのそれと同等の範囲にあった。Visaya海で1個体のみ捕獲したクロサバフグL.gioveriは、筋肉が24.0MU/g、消化管が19.9MU/gの毒性を示した。カナフグL.inermisには筋肉や表皮を含む全ての部位で、食用可否の目安とされている10MU/gを大きく超える毒性を示す個体が認められた。また、Subic市場で入手したセンニンフグL.sceleratus、カイユウセンニンフグL.suezensis、オキナワフグChelonodon patoca、Arothron manillensis、A.mappa、A.stellatus、A.immaculatus、Torquigener hypselogeneion、Tylerius spinosissimusはいずれも各部位に高い毒性が認められた。サバフグ属加Lagocephalus sp.の場合、産地による毒性の違いが極めて大きいものと考えられる。
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Research Products
(2 results)