2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20405034
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 啓一 National Museum of Nature and Science, Tokyo, 標本資料センター, コレクションディレクター (70141984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 繁 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20170748)
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Keywords | フグ科 / 東南アジア / ベトナム / 分類 / 毒性 / 分類 / 分布 / 筋肉 |
Research Abstract |
本年度はベトナム、フィリピン、タイ3カ国でLagocephalus属4種134,個体、Arothron属5種44個体、Canthigaster compressa6個体、Diodon holocanthus5個体、Chelonodon patoca3個体を収集した。これら試料を日本に搬入し、種レベルの同定を行った後、フグ毒(TTXs)ならびに麻痺性貝毒(STXs)含量をHPLC蛍光法で分析した。 ドクサバフグL.lunarisの肉には、ベトナムNhatrang周辺で採取した36個体中15個体、フィリピンSorsagon周辺で採取した4個体中1個体およびタイSongkh1a沿岸で採取した5個体中2個体に、わが国で食用可否の基準値とされている10MU/gを超える毒性が検出された。シロサバフグL.spadiceusはベトナムNhatrang周辺で水揚げされた40個体中3個体の肉が弱毒(10~100MU/g)であり、皮や内臓部分にもかなりの頻度で毒性が認められたのに対して、タイSongkh1a周辺海域で漁獲された7個体およびSongkh1aの魚市場に水揚げされた15個体の肉はほぼ無毒であった。ベトナム産のクロサバフグL.gloveri13個体の皮や内臓、およびカナフグL.inermis12個体の全部位に、高頻度で弱毒もしくは強毒(100~1000MU/g)レベルの毒性が確認された。昨年度フィリピンで実施した調査により、ドクサバフグに加えシロサバフグ、クロサバフグおよびカナフグの可食部に高い毒性が認められている。 日本及びインド・西太平洋に分布するLagocephalus wheeleriとL.spadiceusのタイプ標本と多数の標本を比較検討した結果、L.wheeleriはL.spadiceusのシノニムであることが判明した。
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Research Products
(2 results)