2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20405034
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 啓一 独立行政法人国立科学博物館, 標本資料センター, コレクションデイレクター (70141984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 繁 北里大学, 海洋生命科学部, 准教授 (20170748)
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Keywords | フグ科 / 東南アジア / ベトナム / 分類 / 毒性 / 分類 / 分布 / 筋肉 |
Research Abstract |
2010年5月ならびに10月にフィリピン・ケソン市の水産資源庁Natural Fishehes Research and Development Instituteを訪問し、フィリピン側研究協力者がセブ、レイテ、西ネグロスならびにルソン島ソルソゴン沿岸で採取したフグ類凍結試料を入手した。これに加えて2010年8月および2011年1月にベトナム・ニャチャンおよびハイフォンにて調査を実施するとともに、ベトナム側研究協力者よりフグ類凍結試料を入手した。これら試料を皮、肉、肝臓、消化管および生殖腺に分けて抽出しHPLC蛍光法で分析したところ、ドクサバフグ、カナフグならびにモヨウフグ属のフグ類の皮や肉に、10MU/gを超える毒性が検出された。両国から採取したシロサバフグの場合、肉は全検体が無毒(≦10MU/g)であったが、肝臓、消化管などの内臓部分に10MU/gを超える毒性が認められた。ベトナム産シロサバフグの毒の本体はテトロドトキシンであったの対して、フィリピンの沿岸各地で採取された同種では、しばしばdcSTXなどの麻痺性貝毒が毒の本体として検出された。フィリピン沿岸部では有毒渦鞭毛藻Pyrodinium bahamense var.compressumによる麻痺性貝毒が頻発しており、貝などの餌を通じて貝毒がフグに蓄積しているものと考えられた。 昨年度台湾で入手したフグ類を同様に分析したところ、クロサバフグおよびクマサカフグの肉は全検体とも無毒、ヨリトフグは全検体とも内臓部分を含め無毒であった。シロサバフグの分類学的問題を研究するため、本種に類似のインド洋産Lagocephalus guntheriの標本をイスラエルの研究者の協力によって入手した。シロサバフグとL.guntheriの形態的特徴の詳細な比較とDNA解析を行い、両種は尾鰭の特徴やDNAが異なることが判明した。
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Research Products
(1 results)